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2018.02.27

「欧州一の富豪」に変動、ZARA創業者が世界7位に後退

Vytautas Kielaitis / Shutterstock.com

ファストファッションのザラ(ZARA)を展開するスペインの衣料品最大手、インディテックスの創業者であるアマンシオ・オルテガ(81)の資産が2月23日、同社の株価下落を受けて約43億ドル(約4580億円)減少した。

インディテックスの株価は同日、前日比7%下げて3年ぶりの安値をつけた。これに伴い、オルテガの資産は6%減少。およそ680億ドルとなった。欧州一の富豪だったオルテガのフォーブス世界長者番付での順位は、4位から7位に下落。代わって仏高級ブランドLVMHモエヘネシー・ルイヴィトン・グループのベルナール・アルノー最高経営責任者(CEO)が、全体での順位を4位に上げた。アルノーの保有資産は同日現在、約751億ドルとなっている。

インディテックスの株価下落の引き金となったのは、米JPモルガンのアナリストが3月14日に行われる決算発表を前に、インディテックスの昨年12月~今年1月(第4四半期)の業績予想を下方修正し、目標株価を引き下げたことだ。これが投資家らの不安をあおったと見られている。

インディテックスは昨年11月1日から12月11日まで(第4四半期前半)の売上高について、前年比13%増を見込むと発表していた。だが、このアナリストは同社が値引きを行う回数を増やしたことや、ユーロ高が続いたことなどを理由に挙げ、同期の売上高の伸びが当初の予想を下回る10%増になるとの見方を示した。

競合するファストファッション大手H&Mが昨年9-11月(第4四半期)の売上高の減少と、一部店舗を閉鎖する方針を明らかにしていることから、投資家らはインディテックスの同期の売上高に対する関心を高めていた。インディテックスの業績はH&Mに比べて好調で、売上高は2桁台の伸びを維持してきた。だが、それでも株価は年初来、およそ11%値下がりしている。

オルテガは1963年、家族経営の小規模なアパレル企業を設立。1975年に前妻のロザリア・メラ(故人)と共同でインディテックスを創業し、世界最大の衣料品チェーンに育て上げた。同社は現在、世界中で7405店舗を展開。2017年の売上高は約233億ユーロ(約3兆円500億円)と見られている。オルテガは2011年、会長職を後任に譲った。

編集=木内涼子

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