テクノロジー

2018.02.17 10:30

ユニセフが仮想通貨で難民支援、独自の「採掘ソフト」を配布

Dominionart / Shutterstock.com

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仮想通貨のマイニングによって、シリア難民を救おうというプロジェクトが始動した。これは「ユニセフ・ゲームチェンジャーズ(UNICEF Game Chaingers)」と呼ばれる取り組みで、クレイモア(Claymore)のソフトウェアを用いてイーサリアムをマイニング(採掘)し、シリア内戦の被害に苦しむ子供たちを支援しようというもの。

ユニセフ傘下のベンチャーキャピタル「UNICEF Ventures」がこの試みを始動させた。

クレイモアのソフトウェアは様々な仮想通貨がマイニング可能だが、ユニセフは利益率が高いイーサリアムをあえて選んだという。パワフルなマシンを用いた場合、一日あたり2ドルから3ドルの資金をユニセフの仮想通貨ウォレットに寄付することも可能だという。

ユニセフは今回のプロジェクトの公式サイトを通じ、マイニング経験を持たない人でも手軽にイーサリアムをマイニングできるツールを提供している。サイトには専用のマイニングソフトが用意され、使用中のOSとグラフィックボード(エヌビディアかAMD)を選択するとインストールが可能になる。

起動すると自動的にマイニングが始まり、採掘されたイーサリアムはユニセフのウォレットに送信される(マイニングは電力消費量が高まるため、使用するハードウェアによっては電気料金が高くなる可能性もある)。

2月から始動したこのプロジェクトには、世界から800名以上が参加し、既に3400ユーロ(約45万円)を超える資金を稼ぎ出している。ユニセフ・ゲームチェンジャーズは3月31日までの期間限定プロジェクトのため、興味のある人は早めに参加したほうがよさそうだ。

このチャリティは自身でマイニングを行う以外にも、手持ちのイーサリアムを送信することでも参加が可能。クレジットカードによる募金も受け付けている。

仮想通貨に関してはネガティブなニュースも多いが、このような人道的試みにコインのマイニングが使用されるのは画期的ニュースといえる。ユニセフは今年1月、ブロックチェーン関連の新興企業に向けた投資を検討中であるというニュースも報じられていた。

編集=上田裕資

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