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2017.12.30

マカオから台湾まで、アジアで「低成長な国・地域」5選

Nussar / shutterstock.com

ここ数年、中国だけでなく東アジア諸国は海外からの投資や消費力の向上で、高度成長が続いている。一方で、成長が足踏みする国もないわけではない。下記に2016年にアジアで成長率が低かった5か国・地域をあげてみた(カッコ内の数字は2016年の成長率)。

マカオ(−4%)
2016年にアジアで最も低成長だったのは、カジノで有名なマカオだ。国際通貨基金のデータではマカオ経済は2016年に4%の縮小だった。マカオ経済は今年に入り回復しているが、中国の習近平国家主席はカジノに対し批判的な姿勢を維持しており、カジノがGDPの60%を占めるマカオにとっては大きな打撃となっている。

ブルネイ(−2.5%)
ブルネイの成長率がマイナスなのは、原油生産の減少と世界市場での原油価格の下落だ。ブルネイでは資源採掘や砕石がGDPの45%に相当する。政府の歳入は減り、公共投資と消費は減速した。

北朝鮮(+1%)
IMFは北朝鮮の2016年のGDPを1%としているが、韓国銀行は3.9%との見解を示している。正確な数値は不明だが、世界経済フォーラム(WEF)のデータによると北朝鮮経済は石炭や鉛、海産物の輸出に大きく依存している。

日本(+1%)
日本では賃金上昇のペースが弱く、人々の購買意欲も低い。アベノミクスはGDP成長率を2016年に1%に押し上げたがこの傾向は変わらない。日本政府は2017年前半に工業生産や企業投資が活発化したと主張するが、GDPの60%を占める個人消費はまだ足踏みしている。

台湾(+1.4%)
ハイテクと機械の輸出のハブである台湾は、成長を世界経済に依存している。IMFはグローバル経済の強さの恩恵を受け、台湾の2017年の成長率を3.6%と見込んでいる。一方、2016年は、欧州やアジアからの需要がふるわず台湾経済は停滞した。

編集=上田裕資

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