米国は1967年も、多くの問題を抱えていた。多くの暴動が発生、東西冷戦は緊張の度合いを高め、ベトナム戦争は激化していた。また、中東ではイスラエルが周辺国との間で6日間戦争を起こした。
1967年当時はバスや地下鉄で通勤する途中、スマートフォンの画面にくぎ付けの人たちに取り囲まれることも、AirPodsからもれてくる音楽を耳にすることもなかった。インターネットなどは、人の理解を超えたものだった。
ここ50年間の進歩や発展から、現在の方がより幸福だと考えている人が多くを占める国もある。当然ながら、ベトナムでは88%の人が、国が分裂して容赦ない戦いを繰り広げていた1967年よりも、今の方がより良い状況にあると感じている。また、過去50年の間に圧倒的な経済成長を遂げたインドでは、およそ10人に7人が現在の方が良くなっていると答えた。
こうした楽観的な見方は、アジアの国・地域に共通している。特に、目覚ましい経済発展を遂げた韓国では68%、日本では65%の人たちが、こうした考えを持っている。
一方、米国で自分たちの暮らしを楽観的に見る人は、より低い割合にとどまっている。50年前より良くなっていると考える人は37%、悪くなっていると見る人は41%だ。また、フランスやイタリアではこうした傾向がさらに顕著になっており、改善していると見る人は、それぞれ33%、23%だった。ピュー・リサーチ・センターは、人々の自分の暮らしに対する見方を左右するのは、経済情勢だと指摘している。
前出の質問に対する各国の調査結果は、以下のとおりだ(一部の国のみ紹介、数字は左が「悪化している」、右が「改善している」と答えた人の割合)。
・ベトナム: 4%/88%
・インド: 17%/69%
・韓国: 17%/68%
・日本: 15%/65%
・ドイツ: 20%/65%
・スペイン: 28%/60%
・カナダ: 24%/55%
・ロシア: 28%/50%
・オーストラリア: 33%/50%
・南アフリカ: 36%/47%
・英国: 31%/45%
・米国: 41%/37%
・ブラジル: 49%/35%
・フランス: 46%/33%
・イタリア: 50%/23%
・メキシコ: 68%/13%
・ベネズエラ: 72%/10%