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2017.04.30

原子力エネルギー支持の米学生団体、アプリで活動に「ゲーム感覚」採用

bikeriderlondon / Shutterstock.com

米ペンシルベニア州のピッツバーグ大学とペンシルベニア州立大学の学生らが始めた原子力エネルギーの利用推進を支援する活動に役立つアプリ、「アトミック・アクション」が4月5日から、アプリ配信ストアを通じてダウンロード可能になった。

「アトミック・アクション」と名付けられたこのアプリは、非営利の草の根活動団体、「ジェネレーション・アトミック(Generation Atomic、Gen A)」のためにユーキャンペーン(uCampaign)が開発したもの。戸別訪問して原子力エネルギーの有用性について訴える活動家たちが利用している。

ユーキャンペーンはこうした支援活動のためのアプリ開発において、他に先駆けてゲームの要素を取り入れてきた。2016年の米大統領選の政治活動にも、同様のツールを提供した。このアプリがあれば、戸別訪問の担当者たちは楽しく、双方向的な経験を提供するツールによって、住宅の玄関先で暗記したメッセージをただ述べるだけにとどまらない活動ができる。

Gen Aの共同創業者は、「どの家を訪問しても、ただ黙って話を聞いていたいという人には会ったことがないと思う。誰でも聞いてもらいたい、重要だと思っていることについて認識を共有したいと考えており、会話することを楽しむものだ」と、アプリを開発した理由を説明している。

Gen Aの戸別訪問担当者らが使用するモバイル機器の画面には、「雇用と経済」「手頃な電気料金」「環境保護」という原子力エネルギーが大きな利点を持つ3つの点についての説明が映し出される。訪問先の人たちには特に関心のある問題について学んでもらい、担当者はその後、相手のスマートフォンなどにメッセージを送信して、アプリのダウンロードを勧める。

これまでにGen Aの関係者らが訪問して原子力発電について話をした人の数は何千にも上り、そのうち53%が原子力発電を支持するとの考えを示しているという。

高い関心を集めている話題は多岐にわたり、東芝の米原発子会社ウェスチングハウスの連邦破産法の適用申請の影響について詳しく知りたいという人や、放射性廃棄物、原子力発電の安全性に関する過去の記録に興味を持つ人たちもいる。中でも多くの人たちが、原子力発電が施設周辺の地域経済・環境に対して果たす役割に関心を示している。

訪問時にアプリを使う担当者たちは、さまざまな活動の内容に応じてポイントを集めていく。Gen Aのもう一人の共同創設者によれば、アプリは「原子力発電の推進を訴えるためのポケモンGOのようなものだ」。動画を見てもらったり、ソーシャルメディアに関連の投稿をしてもらったりすることで、あるいは訪問をすることで、ポイントが加算されていく仕組みになっている。

編集=木内涼子

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