そして、今年4月18日のF8会議で後継モデルとなる2つの小型版サラウンドカメラが発表された。持ち運び可能なサイズに抑え、360度の3次元映像が撮影可能で、VRデバイスでも視聴に対応する。
今回のカメラは「6自由度(6Dof)」と呼ばれる撮影フォーマットに対応している。6Dofではユーザーが多様な視点から視聴可能で、映像内でユーザーが上下に動いたり、前進や後退、左右への動きも可能だ。今回のカメラで撮影した映像はVR対応デバイス以外でも、より生々しい映像を楽しめる。
フェイスブックは同社のArea 404 labでこの製品のプロトタイプ製造に取り組んできた。フェイスブック自身がこの製品を販売する意図は無いが、外部企業に製造のライセンシングを行い、年内の発売を計画中という。
初めに想定されるユーザーはハリウッドの映画制作会社らだ。しかし、長期的にはこの360度カメラが安価で操作も簡単になり「一般家庭への普及も進むことを望んでいる」とフェイスブックのCTOのMike Schroepferは述べた。
新型の360度カメラはセットアップも簡単で高機能版のx24とx6が用意されている。フェイスブックのSchroepferはこのx6を「一眼レフ並みに手軽に持ち運べる」と述べた。ブリーフィングで彼は「これらのカメラは従来のVRの没入感を一歩進めたものだ」と語った。
フェイスブックは映画製作者らがこのカメラを用いて高品質のVR映像を提供することで、一般消費者がVRヘッドセットの購入意欲を高めることを狙っている。
フェイスブックは将来的には360度カメラをライブ動画配信に用いようとしている。「まずはこの分野のゴールドスタンダードと呼べるクオリティの製品を投入し、その後は安価なバージョンを市場に投入していく」という。「没入感の高い映像への需要は非常に高まっている」とSchroepferは付け加えた。
サラウンド映像分野ではアドビやOtoy、Foundry、Mettle、DXO、Here Be Dragons、さらにThe Millといった企業がソフトウェア開発を進めている。フェイスブックはこのカメラの予定価格を公表していないが、Schroepferは次のように述べた。
「我が社はカメラビジネスに参入したい訳ではない。クリエイティブな人々がよりクリエイティブな映像を制作することを支援したいのだ」