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世界のカジノ企業が、日本のカジノ解禁に熱い視線を送っている。グローバル・マーケット・アドバイザーズ(Global Market Advisors)は、日本のカジノ市場がアメリカとマカオに続く世界で3番目に大きな市場になると予測している。筆者は5月に東京で開催されるジャパン・ゲーミング・コングレスに登壇予定だが、業界の知人たちから「自分もイベントに参加したい」との要望を多数受けている。

ラスベガス・サンズの創業者であるSheldon Adelsonは、「日本に100億ドルを投資する」と述べており、メルコリゾート&エンターテインメントの会長兼CEOのLawrence Hoも、日本でのカジノ・ライセンス取得のために「あらゆる手段を講じる」と意欲を示している。しかし、日本政府によるIR構想は不明な点も多く、期待先行の感は否めない。

安倍晋三首相は今月初め、統合型リゾート(IR)の制度づくりを担うIR推進本部の初会合で、「世界最高水準のカジノ規制を導入する。依存症やマネーロンダリング、青少年への影響などさまざまな懸念に万全の対策を講じる」と述べた。

日本では、パチンコや競馬、宝くじなどに莫大な金額が費やされており、IRの実現によるギャンブル中毒者の増加を危惧する声も多い。しかし、安倍首相の発言からは、カジノ解禁によってアベノミクスを軌道に乗せ、日本経済を四半世紀に及ぶ停滞から脱却させるという強い意思がうかがえる。

だが、カジノ解禁への道のりはまだ遠い。昨年12月にIR推進法が成立したものの、2024年までにカジノが一つも開業していない可能性は十分ある。

カジノ収入2.6兆円は実現可能か?

グローバル・マーケット・アドバイザーズは、日本のIR事業者選定に係る入札競争が、シンガポール並みに激しくなると予測している(シンガポール政府は、2006年に2件のライセンスを発行している)。同社は先ごろ「白書:日本の統合型リゾート」のエグゼクティブサマリーを発表した。そこでは、IRが大阪と横浜の2ヶ所で開業した場合から、沖縄を含む全国10ヶ所で開業した場合まで、4つのシナリオを想定し、カジノ収入を110億ドルから240億ドル(約2.6兆円)と予測している。

白書はまた、実質的な外資規制の可能性を指摘しているほか、シンガポール型の規制(カジノ規模の制限、国民に対する入場税の課税、VIP顧客を呼び込むジャンケット業者に対する規制など)を導入した場合の影響について記載している。

カジノ解禁に向けた日本政府のスタンスに関して、MGMリゾーツ・インターナショナルの会長兼CEO、James Murrenは、4月に行われたCNBCアジアのインタビューで2つの質問を投げかけた。

1点目は、日本政府がIRに期待する内容についてだ。シンガポールの場合は、第一級のコンベンションセンターとテーマパークを建設することと、新たな国家イメージの構築が主な目的だった。フィリピンでは、雇用創出と観光振興が目的だった。

東京もコンベンションセンターが不足しており、さらに昨年の訪日観光客数は2400万人と過去最高を記録したが、伸びる余地はまだ十分ある。また、日本は国民一人当たりの借金が世界で最も多く、日本政府にとっては税収の確保も大きな目的だろう。

編集=上田裕資

 

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