最悪の顧客体験にどう対応するか ユナイテッド騒動から学ぶ5つの教訓

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3. 提携企業は自社ブランドの一部

問題のフライトは、ユナイテッド航空と提携するリパブリック航空が運航していた。これは、一貫したブランドイメージを提示する上での提携企業の重要性を浮き彫りにしている。これをよく理解しているブランドが、スターバックスだ。

スターバックスは提携企業に対する要求の基準が厳しい。クリス・マローンがアラマーク(Aramark)のCMO(最高マーケティング責任者)を務めていたとき、同社は75校の大学キャンパスでスターバックスのフランチャイズ店舗を運営していた。マロンは著書「The Human Brand(人間ブランド)」の中で、顧客体験の問題を理由にフランチャイズ契約の解除を警告されたことを明かしている。

教訓:提携企業の行為に責任を持ち、一貫性の保持に注意すること。

4. 動画は全てを変える

この事件がネット上で拡散した理由はただ一つ、動画の存在だ。英語のことわざに「1枚の絵は1000語に匹敵する」というものがある。1秒24コマの動画1分だと、150万語近くに匹敵する計算だ。

教訓:顧客は全員がリポーターだ。動画はブランドを構築することも、破壊することもできると認識しておこう。

5. 過去の失敗は長くつきまとう

ミュージシャンのデイブ・キャロルは2008年、ユナイテッド航空でひどい顧客体験をした。ギターの機内持ち込みを拒否され、預け入れを強いられた彼は、シカゴでの乗り換えの際、荷物係が彼のギターが入ったケースを放り投げているのを目撃した。

ユナイテッド航空はキャロルの苦情の処理に1年をかけた末、一切の弁償を拒否した。これに対し彼は、ユナイテッド航空を自作の歌で批判する動画をユーチューブで公開。動画は本日までに1700万回以上視聴されている。彼は今回の乗客引きずり降ろし騒動について語る動画も公開している。

教訓:過去の失敗から学ばない企業は、必ず失敗を繰り返す。

編集=遠藤宗生

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