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アレルギーを持つ人たちの生活が変わるかもしれない──。著名投資家のピーター・ティールが創設したベンチャーキャピタル「Breakout Labs」が支援するシカゴのスタートアップInspirotecは、すべての生物由来のアレルゲンを特定できるデバイスを開発した。

Inspirotec共同創業者のプラシャンティ・ガンジー(Prasanthi Gandhi)は「アレルギー専門医はこれまで、患者の自宅に潜んでいる可能性のあるアレルゲンに対処するしか方法がなかったが、このデバイスを使えば実際のデータが示せる」と語る。

開発を担当した同社のジュリアン・ゴードン(Julian Gordon)は、製薬会社アボットで自宅で使える妊娠検査薬を開発するチームに所属していた。今回のデバイス「Exhale」は郵送でユーザーのもとに届けられる。ユーザーは測定したい部屋に置いて5日間連続で運転させた後、分析のためにInspirotecに送り返す。

「その環境に存在する生物由来のものをすべて検知します。空気のいわば“血液検査”のようなものです」とガンジーは言う。

Inspirotecは分析結果に基づいて、存在しうるアレルゲンへの対処法に関するカウンセリングも提供している。分析結果はユーザーのアレルギー専門医と共有することもできる。

ガンジーによると、ある家族が体調を崩した息子のためにこのデバイスを使ったところ、犬由来のアレルゲンが見つかった(この家庭では犬を飼っていたので不思議ではない)。しかし、この家からは猫とネズミが由来のアレルゲンやカビも見つかった。別のユーザーの家では犬を飼っていないにもかかわらず犬由来のアレルゲンが見つかった。こういった事例から、住宅購入前に物件を検査する目的での需要も考えられる。

化学性刺激物に関しては、すでに市場に流通しているデバイスで測定できるため、新デバイスでは測定しない仕様だとガンジーは言う。

「アレルギーを引き起こすものはおおむね判明しています。重要なのは毎日どのようなアレルゲンにさらされているのかを知ることです」

同社が提供するサービスには5日間の測定と分析、対処法のアドバイスが含まれており、価格はおよそ500ドルだ。現在はお試し価格としておよそ200ドルで提供している。

Inspirotecの創業は2011年で、数年間の研究開発期間を経て2016年の終わりに今回のデバイスをリリースした。初期資本は友人や家族から集めたほか、Breakout Labsから35万ドル(約3800万円)の出資を受けている。

編集=上田裕資

 

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