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2017.04.13

キャデラックの自動運転車「テスラ以上の安全性」で今秋発売

キャデラック「CT6」(Photo by VanderWolf Images / Shutterstock.com)

ゼネラル・モーターズ(GM)の高級車ブランド、キャデラックが自動運転システム「スーパークルーズ」への開発着手を発表したのは5年前のことだった。当時はまだ多くの人が自動運転をSFの世界の話と考えていたが、5年の月日を経てそのテクノロジーは現実のものとなった。キャデラックは今秋発売の「CT6」の北米仕様車にスーパークルーズを搭載すると発表した。

新型CT6では自動ハンドル操作機能やクルーズコントロール、車線アシスト、死角検知などの運転支援システムを組み合わせ、ハンズフリー走行が可能になるという。スーパークルーズをセットすると車は先行車両と安全な距離を保ちながら、指定した速度で車線中央を走行する。

安全を期すため、スーパークルーズにはテスラの「オートパイロット」には無い機能が備わっている。それは、ハンドルに搭載されたカメラがドライバーの頭の位置を監視し、いつでもハンドル操作を行える体勢にあるかを監視するシステムだ。

ドライバーが読書や化粧などをしていると、警報やシートの振動等で注意を促す。繰り返し警告してもドライバーが反応しない場合には、システムは車両を安全に停車し、通信機器の「オンスター」で緊急救援隊員に通報する。

スーパークルーズには、アメリカとカナダの全ての高速道路をLiDARで3Dスキャンした地図データが搭載されている。これに、カメラとGPSセンサーがリアルタイムで取得するデータを組み合わせることで、ルート上にある坂やカーブを予測し、適切に対処することができるという。また、スーパークルーズの使用は高速道路に限定されており、市街地や一般道での走行では利用できない。

「スーパークルーズを一般道に対応させることは技術的に可能だが、消費者や規制当局の信頼を獲得するために高速道路に限定した」とスーパークルーズのチーフ・エンジニアを務めるBarry Walkupは述べている。

スーパークルーズが新型CT6の一部グレードで標準装備されるのか、オプションとなるかは明らかになっていない。また、価格についても現段階では公表されていない。

編集=上田裕資

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