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2017.04.04

初の「1兆ドル企業」視野に入るアップルにアマゾンが勝る3つの点

GongTo / shutterstock.com

時価総額が1兆ドル以上の企業になることが予想される企業の中でも、最も有力視されているのはアップルとアマゾンだ。だが、アップルはあと“わずか”2500億ドル(約28兆円)ほどを上乗せすれば、これを実現する。アマゾンより1年早い2019年までに、「1兆ドル企業」になる可能性がある。

それでも、投資家たちはアマゾン株を購入する方が、ずっと早く利益を上げることができるだろう。アマゾン株は前年比42%近くも上昇している。そして、アマゾンのジェフ・ベゾス最高経営責任者(CEO)は先ごろ、富豪の保有資産ランキングで世界2位に浮上した。

ベゾスの富は、なぜ急増しているのか?筆者の考えでは、それは全て「規律ある成長戦略」のおかげだ。ベゾスはフェイスブックのマーク・ザッカーバーグ、ネットフリックスのリード・ヘイスティングスと同様、アイデアを上場企業に変え、80億ドルを超える売上高を実現、さらに売上高を前年比で20%以上増やしている数少ないCEOの一人だ。

これらの実現は、難しいことだ。だからこそ、投資家たちは実現できるリーダーたちに「報酬」を与える。ベゾスをはじめとするリーダーたちがこの結果を達成できる最大の要因として挙げられるのは、次の3つだ。

・創造的な戦略家である

古くからある手法が新たな問題の解決策になると思い込まず、知的謙虚さをもって新しい課題に取り組む。

・組織を作る人である

ごく平均的な人たちばかりを集め、ただCEOの指示に従わせるのではなく、企業としての理念を掲げ、文化を磨き、それによって優秀な人材を引き付け、その人たちにやる気を出させる。

・戦略的投資家である

古いものを苦労して探し出そうとするのではなく、新たな成長機会を見つけ、それに大きく賭ける。

アップルとアマゾンを比較してみると、どちらの企業にこれらの要因があるかは明らかだ。ただ、アップルの名誉のために言っておくと、同社は世界で最も価値ある企業だ。時価総額は約7550億ドル(約84兆円)。そして、アップルには収益力がある。モーニングスターによれば、売上高は2180億ドル、営業利益率は20.7%だ。
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編集=木内涼子

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