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2017.03.31

今、リーダーに求められている「脱リーダーシップ論」とは

中竹竜二(日本ラグビーフットボール協会 コーチングディレクター)photographs by Shuji Goto


「フォロワーシップ」というスタイル

NASAの宇宙飛行士が訓練で学び、JAXAや多くの企業が注目する組織マネジメントの新たな視点「フォロワーシップ」。06年に中竹氏が早稲田の監督に就任した時には、強い指示を出しチームを牽引するリーダーシップではなく、選手の自律性を引き出し、支える「フォロワーシップ」を目指した。ちなみに前任者はカリスマリーダーの清宮克幸氏。中竹氏は学生から「日本一オーラがない監督」と揶揄されていた。

「清宮先輩からの要請で監督を引き受けたが、当時、ぼくは10年以上ラグビーから離れ、指導経験もない。エリート・アスリート集団にラグビーファンの素人のおじさんが入るようなもの。話を聞かない学生もいたし、舌打ちやため息が当たり前の状況からのスタートだった。そこでぼくは、選手一人ひとりが考え、自分たちで課題を解決し、自ら強くなる組織にしたいと言い続けた」

やがて、選手に自主性が芽生え、監督のリーダーシップに頼らず自分たちで勝つチームへ成熟すると、中竹監督の4年間に選手たちは、全国大学選手権で2度の優勝と1度の準優勝を果たした。


「小学校の頃からリーダー的役割を任されることは多かったが、自分の能力や性格を考えると、リーダーシップを発揮して人を率いるリーダーにはなれないと気づいていました。そこで自然と、周囲の他者の力を引き出し、それを支えることに腐心するようになった。大学4年で早稲田のラグビー部の主将に選ばれた時も同様です。イギリスのレスター大学大学院で社会学を学び、そうした経験を俯瞰して整理することができた。また、組織内でどういう力関係があるか分析できる力が身につき、その後のコンサルティング業務などの経験も経て、今日の自分の考えにたどり着いたといえます。人から学んだものではなく、自分が実践してきたことです。それが近年になりグローバルで組織論の研究者に理論づけされた感じですね」

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