韓国モバイル送金「Toss」が55億円を調達 評価額は290億円以上

Wael Khalill alfuzai / shutterstock.com


Tossの累計ダウンロード数は600万に達する。Viva Republicaは、総合的な金融サービスをワンストップで提供することを目指しており、既に財務状況を管理するためのダッシュボードやクレジットスコア、マイクロレンディングなどのサービスをリリースしている。マイクロレンディングでは、ユーザーは1回当り500ドル程度の融資を受けることができる。

同社は、これまでアプリの普及を最優先に事業を展開してきたが、新規サービスを加えたことで、今後は収益の向上を図っていくという。Viva Republicaのこれまでの主な収益源は、ユーザーが1か月に5回以上送金を行った際に支払う手数料で、昨年の売上は約300万ドルだった。

Leeによると、銀行に支払う手数料を差し引くと現在は赤字だが、2018年には黒字転換ができる見込みだという。韓国で最も人気の高いメッセージングアプリ「カカオトーク」を運営するカカオもモバイル決済サービス「カカオペイ」を提供しており、競争環境は厳しくなってきている。カカオは先月、中国アリババ傘下の決済企業、アント・フィナンシャルから2億ドル(約227億円)を調達し、フィンテック部門の強化を図っている。

しかし、Leeはカカオを脅威とはみなしていない。その理由は、カカオの提携銀行数が少なく、ユーザーの利便性が劣ることだ。「ブランド力があるからといって成功する訳ではない。ペイパルが良い例だ。ペイパルは韓国でもサービスを提供しているが、利用者は少ない」と彼は言う。そのペイパルは、Tossへの出資によって韓国市場で巻き返しを図ろうとしている。

編集=上田裕資

タグ:

ForbesBrandVoice

人気記事