人を惑わせる「自信過剰」の魅力 トランプを例に検証

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トランプの政治的な未熟さは、対立候補のヒラリー・クリントンとは正反対だった。政治に精通したクリントンのような人物は慎重に、反証可能な具体的なコメントを避ける。その言葉が後で自分に不利に働く可能性があるからだ。

一方、トランプは提案する政策の具体的な内容に関してひどく曖昧だ。さらにそれだけでなく、ほぼ間違いなく実現困難なことについて、数多くの絶対的な主張をしている。

私たちは自信過剰な人から身を守るために、どうすればいいだろうか。筆者が行った調査結果から分かるその方法は、次のようなものだ。

まず、彼らの主張と事実を比較すること。自らの過去の業績に関する彼らの発言についても、比較してみるべきだ。彼らの約束は、果たされているだろうか?

次に、私たちは将来に関する明確かつ具体的な約束を求めるべきだ。曖昧な主張、信じ難い約束、過去の失敗に対する弁解については、疑ってかかる必要がある。

トランプが発する「警報」

請負業者への未払いから複数回にわたる破産申請、トランプ大学に関する不明朗な記録まで、過去のトランプの言動は数々の「警戒警報」を発している。

だが、米国の有権者たちはこうした懸念すべきサインに目をつぶり、「絶対に失望させない」という途方もなく壮大なトランプの約束に示される「自信」の魅力に目を向けた。そして、自信が生み出す誘惑の言葉に従い、トランプに票を投じた。この先のおよそ4年間には、いくつもの「尖った岩」が米国民を待ち受けている。

編集=木内涼子

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