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ロンドンに本拠を置くベンチャーキャピタルのアトミコ(Atomico)は2月16日、7億6500万ドル(約858億円)の第4号ファンドを組成したことを明らかにした。これは、2013年に設立した第3号ファンド(4億7660万ドル)を大きく上回り、欧州拠点のVCとしては史上最大規模となる。

アトミコのこれまでの投資先には、スウェーデンのEC企業「クラーナ」や、「スーパーセル」(2015年のソフトバンクによる買収の際にイグジット)、「The Climate Corporation」(Monsantoが2013年に11億ドルで買収)などが含まれる。

アトミコの田村裕之パートナーによると、欧州ではこれまで通りシリーズAラウンドでの投資を対象とし、米国ではレイターステージの投資も行う方針だという。ホームグラウンドである欧州ではリード投資を行い、米国では勝ち組スタートアップにマイノリティ投資を行うのが同社の戦略だ。

アトミコが、AccelやIndex、Northzoneなどの大手VCと異なるのは、投資チームの他に7名のパートナーから成る「バリュークリエーション・チーム」が存在することだ。彼らは、フェイスブックやスカイプ、スポティファイ、ヴァージン、ウーバーなど大手テクノロジー企業出身者たちだ。「ユニコーンの創業メンバーが6人もいることは、欧州のVCではとても珍しい。これは、長期的な差別化要因になる」と田村は話す。

投資チームには、創業者のMattias Ljungmanをはじめ、CEOのニクラス・ゼンストロームなど8人のパートナーが所属している。ゼンストロームはスカイプの共同創業者で、そのためかアトミコのメンバーにはスカイプ出身者が多い。同社は、ロンドンとストックホルムの拠点に加え、この10年でブラジル、北京、東京に事務所を設立した。現在の従業員数は40名で、新たに加わったCOOがグローバルでの社員の連携を図っているという。また、12月にはVC関連のポッドキャストで人気のHarry Stebbingsが新たにメンバーに加わった。

アトミコは、欧州発のスタートアップに大きな期待を抱いている。田村は、スポティファイなどの成功ベンチャーの卒業生らが起業し、その中からBlaBlaCarやDeliverooのような有望なスタートアップが育ってくることを期待している。

「今後の2年間で次世代の起業家たちが登場してくるだろう。我々はその時に備えてより大規模なファンドを組成し、彼らをサポートしていきたい」と田村は話す。

編集=上田裕資

 

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