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2017.03.01

民間企業の力が東北の空と大地の新たな可能性を切り開く

仙台空港で開催した宮城県名取市の物産展「うまいもん名取」


仙台国際空港事業が空からの東北復興を支える革新的な取り組みだとしたら、大地からの復興を目指して真剣勝負を挑んでいるのが「ベジ・ドリーム栗原」だ。豊田通商グループの子会社である豊通食料が宮城県栗原市の地元農家と共同で出資し、2008年に設立した国産パプリカの農業生産法人である。宮城県はパプリカの生産量で日本一、国内生産量約5,000トンのうち約2割を占める。同社は、県内産の大半を生産しており、今年は年間約900トンを見込むなど、宮城県を国内トップのパプリカ生産地に押し上げてきた。

実はパプリカの生産は非常に難しい。なぜなら、パプリカは花が咲いて実になり、その果実が大きく成長し、赤や黄色に色付き収穫されるまでに約2カ月もかかる。その間、病気や害虫の危険にさらされるのだ。しかも暑すぎても寒すぎても育たないデリケートな野菜である。生産現場は苦労の連続だ。

現場を悩ませる大きな課題は夏場の暑さだ。パプリカは夏野菜だが、高温多湿な日本の夏は苦手。パプリカ栽培に適した冷涼な地に植物工場を設立したものの、近年の異常気象で夏場には気温が35℃になる日もある。そうなればハウス内は優に40℃を超える。高温障害で花や実が落ちたり、変形・奇形のパプリカが育ってしまうこともある。そして何より現場で働く従業員にとっても過酷な労働環境となる。



「ベジ・ドリームは、パプリカ生産の先進国であるオランダの設備や技術を導入した最先端の植物工場です。植物工場というと、空調完備された閉鎖的な部屋で、人工光を光源に、水やりから温度管理まで完全制御された栽培方式を想像するかもしれません。しかし、ベジ・ドリームは日光を利用する太陽光利用型の植物工場のため、日照時間や気温など外部の影響を受けやすくなります」と、豊田通商農業事業グループ課長職の山本敏宏は語る。

「環境制御システムによって、温度と湿度をコントロールすることで、冬でもパプリカの生産を可能にしています。しかし、乾燥に弱いパプリカの栽培ではエアコンを使用できません。そのため、夏場に起こるパプリカの高温障害や、現場で働く従業員の労働環境をカイゼンすべく、今年から細霧冷房(ミストシステム)を導入し、高い効果を得ることができました」

カイゼン精神が生かされたのは虫害対策においても同様だ。農薬の使用は、安全・安心なパプリカ生産のためには最低限度に抑えなければならない。そこで取り入れたのは天敵を導入した防除、つまり害虫を退治する虫(天敵)をハウス内に放つ虫害対策だ。同グループ課長職の長島寿夫は防虫防除の工夫を語る。

「初めのうちは天敵導入による防除でも進んでいるオランダから、天敵を輸入していましたが、今は国産の天敵も使い始めて効果を上げています。ハウスに放つ最適な天敵数を把握するため、日々花の中にいる害虫の数を数えて、バランスを計っています」

こうした努力に加え、販路拡大へ向けた改善も欠かさない。まだ大勢を占める輸入パプリカとの差別化となる“鮮度”は大きな強み。ベジ・ドリームでは収穫当日に箱詰めし、翌日には配送できる体制を整え、鮮度が高い国産ならではのパプリカを供給している。ビタミンCやカロテン、抗酸化作用に優れたパプリカを多くの人に食べてもらうため、食べ方の提案も行っている。

「浅漬け、天ぷら、寿司ネタ、ドレッシングにしてもおいしい。ウチで働くパートさんが考案したパプリカ料理を紹介しています」(山本)

また第3農場では、隣接するトヨタ自動車東日本の工場から出る排熱を暖房に利用するなど、環境負荷を低減する改善にも取り組む。
東北の大地で育てた、安全・安心で新鮮なパプリカを日本中の食卓へ届けたい。そして、東北地方の復興に貢献したい。

空から、そして大地から、豊田通商は東北のもつ大きな可能性を、東北と共に広げようとしている。


岡崎 克彦(おかざき・かつひこ)◎仙台国際空港(株)出向 取締役営業推進部長 83年日本輸出入銀行(現国際協力銀行)入行。国際協力機構を経て11年に入社し、主にアジアのインフラ案件を担当。13年にプラント・プロジェクト第二部長に着任し、14年から始まった本事業の入札を指揮。


(右)山本敏宏(やまもと・としひろ)◎豊田通商株式会社 農水事業部 課長 1987年入社以来、主に食品畑を歩む。米国・香港での駐在や加工食品会社への出向経験を持つ。2013年からベジ・ドリーム栗原を担当し、パプリカの栽培から農場の運営に至るまで事業全般を管理。

(左)長島寿夫(ながしま・としお)◎豊田通商株式会社 農水事業部 課長 1996年から種苗事業に従事。東南アジアを中心に各国で種苗の営業・商品開発など幅広い業務を行う。2013年に入社以来、ベジ・ドリーム栗原を担当し、豊富な知識と経験を生かし日々活躍。

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Promoted by 豊田通商 文=鈴木裕也 写真=後藤秀二 編集=高城昭夫

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