「美しさ」を追求し続けるアストンマーティンの企業哲学

アストンマーティン社長兼CEO アンディ・パーマー


アストンマーティンの新型車AM-RB 001は150台のみ生産され、その価格は約3億円。チーフ・クリエイティブ・オフィサー兼デザイン・ディレクターのマレック・ライヒマンにその真価を聞く。

アストンマーティンのエグゼクティブ・バイス・プレジデント兼チーフ・クリエイティブ・オフィサーであるマレック・ライヒマンの後方に佇むクルマは、アストンマーティンが披露する新型車「AM-RB 001」。レッドブル・レーシングとのパートナーシップにより製作され、生産台数はわずか150台。

日本で披露された2016年10月の段階ですでに600名の顧客が購入を希望しているという。価格は日本円にして約3億円。公道を走ることができるようにデザインされている。

「このクルマは、アストンマーティンの5年後、10年後の礎となる、素晴らしい未来を象徴するものです。2014年に現CEOのアンディ・パーマーがアストンマーティンに入社してから、われわれは未来へのビジョンを従来よりも強烈に描くことができるようになりました。AM-RB 001はその未来を具現化するひとつです」とライヒマンは語る。

 

ドライバーが座るキャビン下部には空間が空いているが、ここは空気の通り道。これほどまでにレーシングカーのディテールをそのまま備えたロードカーにはなかなかお目にかかれるものではない。アストンマーティンのコンセプトカーをはじめとする数々のクルマをデザインしてきたライヒマンすら、このクルマのデザインに携われたことを“夢のような体験だった”と話す。

「エイドリアン・ニューウェイが考える完璧なエアロダイナミクスを実現した、美しい究極のロードカーが、この“AM-RB 001”です。アストンマーティン初のミッドシップエンジン。低速で公道も安全に、快適に走ることができる。このような自動車の歴史に残る画期的なモデルの開発に携わることができ、とても嬉しく思っています。しかし、これはすべての始まりに過ぎないことも申し上げておきたいと思います」

「AM-RB 001」の納車予定は2018年。街を走るハイパーカーと出会える日を心待ちにしたい。

文=川端由美、構成=青山 鼓

この記事は 「Forbes JAPAN No.31 2017年2月号(2016/12/24発売)」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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