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Lexus LC500h 足回りは、前後:マルチリンク式というスポーティモデルの定石たる仕組みを採用。人間の着座位置を低めて、重心も低め、SPORTSモード、SPORTS+、マニュアルで変速するMモードが設定される。

アメリカ人に「真冬のデトロイトに、毎年行っている」と言うと、たいてい怪訝な顔をされる。一日の最高気温が氷点下という日も珍しくない、アメリカ有数の治安の悪いエリアに、なぜ好んで毎年行くのか? と首をかしげるのも当然だ。

だが、自動車業界で禄を食むものであれば、“自動車業界のニューイヤー・パーティ”との異名を取るデトロイト・ショーを逃すわけにはいかない。なぜかといえば、世界最大級の自動車マーケットであるアメリカにおいて、世界各国の自動車メーカーが何をしたいのかがわかるモーターショーだからだ。

2016年初頭のデトロイト・ショーの話題をさらったのは、なんといっても、レクサス「LC」のアンベールにあわせて社長の豊田章男氏が登壇したことだ。豊田氏自らがトヨタ・ブランドのカンファレンス以外に登壇することは異例中の異例。「私の名字は豊田で、レクサスではないですが…」という洒落の利いたスピーチで会場をわかせたのも、記者会見にスパイスを効かせた。

もちろん、話題となった最大の理由はプロダクトの魅力である。「LC」のベースとなったのは、後輪駆動のハイブリッドカーのコンセプト「LF-LC」だ。2012年のデトロイト・ショーで発表されて、翌年には開発スタートとの噂が流れたものの、なかなか市販車に至っていなかった。ゆえに、世界中のメディアが今か今かと待ち構えていたのだ。

ようやく、ベールを脱いだとき、コンセプトカーそのままのような姿に誰もが驚いた。コンセプトカーではカッコよさが重視されるから、公道を走るなど考えていないような非現実的なディメンションも許される。実際、「LF-LC」コンセプ トの段階では、デザインスタディであり、幅広く、低いスタイリングだった。

ところが、発表された「LC」のスリーサイズは4760×1920×1345mmと、より現実的なサイズに抑えられている。にもかかわらず、コンセプトカーと見まごうスポーティなスタイリングを纏って、世に送り出されてきたのだ。

見た目だけではなく、中身もふるっている。カーボン複合材やアルミ素材などの軽量素材を奢り、軽量化がはかられている。「LC500」では、475ps/530Nmを発揮する5LV8エンジンを搭載し、10速ATを組み合わせる。注目のハイブリッド「LF500h」は“マルチステージハイブリッドシステム”なる新機構に3.5LV6エンジンに大出力モーターを組み合わせて、最大約359PSのパワーを発揮する。

スポーツカー不遇の時代に、シャシーもパワートレインも新設するのは暴挙とも思えるが、あえて挑戦するのがレクサスらしさでもある。

text=Yumi Kawabata 

 

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