世界15万台のプリンターを不正操作した「高校生ハッカー」の警告

Dmytro Vietrov / shutterstock.com

先日、世界中で15万台ものプリンターがハッキングされる事態が発生した。ハッカーに乗っ取られたプリンターからは「最悪の事態が生じる前に対策を取るべきだ」という警告とロボットのアスキーアートが勝手に印刷されて出てきたという。被害に遭ったプリンターは、ネットワークやプリンターの設定に問題があったと考えられる。

プリンターのハッキング被害が報告されたのは今回が初めてではない。昨春には「Weev」というハッカーが、ハイジャックしたプリンターを使って反ユダヤ主義の主張を印刷するという事案が起きている。

対照的に今回の犯行を行った「Stackoverflowin」と名乗るハッカーは“崇高なミッション”を持っていたという。Stackoverflowinの目的は、ネットワークに接続されたプリンターの脆弱性を所有者に理解させ、対策を促すことだったのだ。

メッセージには「必ずこのポートを閉じて下さい」と書かれており、被害者の一部はこのアドバイスに従って簡単に問題を解決することができたという。中には、「ハッキングをしてくれてありがとう。ポートは指示通りに閉じました」とツイートして感謝する者もいた。

PC WorldのLucian Constantinによると、Stackoverflowinはイギリス在住の高校生で、将来はセキュリティ研究者を志しているという。今回のハッキングは大きく報道され、プリンターの脆弱性に対する人々の意識の向上に貢献したことから、Stackoverflowinのキャリアは前途有望だと言えるだろう。

編集=上田裕資

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