「動画ファースト」で絶好調のフェイスブック 売上3兆円突破へ

Photo by Arun Sharma/Hindustan Times via Getty Images

フェイスブックは2月1日、第4四半期決算を発表した。モバイル広告の好調を受け、総売上高は前年度比51%増の88億1,000万ドル(約9,960億円)で1兆円に迫る形になった。売上は7四半期連続で伸びており、伸び幅は過去最高を記録した。

売上増にはインスタグラム等のモバイル動画広告が大きく貢献した。モバイル広告は広告売上全体の約84%を占めている。調査会社eMarketerは今年のフェイスブックの年間広告売上を330億7600万ドル(約3.7兆円)と予測しており、広告分野ではグーグルに次ぐポジションを得ている。

世界のフェイスブックユーザーは今年、一人当たり年間18.25ドルの売上を生み出すと予測される。シェリル・サンドバーグCOOは「弊社のビジネスの主軸はモバイルに移行しており、フェイスブックもインスタグラムも成長を遂げている」とフォーブスの電話取材に応えた。

ユーザー増加率も堅調で、フェイスブックのMAUは前年比で17%伸び、18億6,000万人に達した。傘下のワッツアップやメッセンジャーもともに10億人以上のMAUを抱えている。インスタグラムのMAUも6億人を突破した。

広告面では、フェイスブックの広告主は400万社を超えており、2015年末の250万人から大幅に伸びている。RBC & Ad Ageが昨年秋に実施した調査では、出稿主らの60%がフェイスブック広告の結果に満足していると答えており、グーグル(42%)、ツイッター(25%)らを大きく引き離していた。

インスタも年間売上4,000億円突破へ

同社の好調な業績はマーク・ザッカーバーグCEOが打ち出した「動画ファースト」戦略によるところが大きい。ライブビデオや360度写真(全方位写真や全天球写真を簡単にシェアできる仕組み)を導入し、スナップチャット等の若者層の心も捉えようとしている。インスタグラムではスナップチャットに対抗し、ストーリー機能を昨年夏に導入した。

シェリル・サンドバーグは「動画はフェイスブック広告を利用する企業にとっても、非常に重要だ」と語る。企業からの動画のアップロード件数は直近で、月あたり300万件に及んでいるという。

「3年前なら考えられなかった事態が起きています。人々は常にスマホを持ち歩き、動画を撮影しています。モバイルの広告において動画がいかに重要であるかを企業らも理解しはじめています」

売上でもインスタグラムの貢献度は非常に高い。2017年にインスタグラムは36億4,000万ドル(4,110億円)の売上をもたらすと予測される。VRへの投資も時間はかかるだろうが成果をあげるはずだ。オキュラスはVRコンテンツ開発に2億5,000万ドルを投資すると述べていたが昨年秋には、さらに追加で2億5,000万ドルをゲームやエンタメコンテンツの開発向けに出資すると述べた。
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編集=上田裕資

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