販売はSMS経由のみ、小売業界の「一歩先」を行く飲料会社の挑戦

ダーティーレモン (Jonathan Leibson / gettyimages)

2015年8月にザック・ノーマンディンとソマー・キャロルが創業した消費者向け直販型の飲料会社ダーティーレモン(Dirty Lemon)が急速に顧客ベースを増やしている。

ブルックリンを拠点とする同社は、テキストメッセージ経由のみで商品を販売。顧客一人ひとりと個別の関係を築くことによって、小売業界の現状に挑んでいる。

ダーティーレモンは現在、自然療法において効果に定評のある材料を使用し、「スキン+ヘアー」「デトックス」「睡眠」という3種類の健康ドリンクを販売している。テキストメッセージを送ると、1セット(6本)65ドル(約7,480円)が自宅玄関に配送される仕組みだ。新たな健康トレンドや話題の食材をうまく取り入れながら、年内にさらに多くの商品を展開する計画だという。

ノーマンディンによれば、ダーティーレモンの顧客ベースはこの1年で3万人に増加した。1か月に対応するテキストメッセージの数は5万件で、プラットフォームを通じて数百万ドル規模の取引が行われている。

「商品の販売にはSMSを基本のプラットフォームとして利用している」とノーマンディンは言う。「顧客がいつどこからでも、当社のドリンクに関する質問をすることができるプラットフォームを構築した。それにより顧客がオンライン通販で直面しがちな問題が排除され、売り上げの増加につながっている」

ノーマンディンは、商取引はいずれ会話で行うのが基本となり、顧客が商品を購入するためにアプリをダウンロードしたり、ウェブサイトにログインしたりする必要はなくなると考えている。

同社は現在、2人の食品科学者と提携し、健康的かつスケーラブルな飲料の開発を目指している。

ノーマンディンはダーティーレモンを立ち上げる前、子ども向けのおやつメーカー、リトル・ダック・オーガニックスを創業している。その経験に、キャロルの持つテクノロジーと健康に関するバックグラウンドがうまく融合したのだ。

「当初のブレインストーミングの中で、ザックも私も、お互いをうまく補い合えるスキルセットを持っていることに気づいた」とキャロルは言う。「2人とも早い段階で、共同創業者がいれば長期的な視点を持つのに有益だし、重要な意思決定が主観に影響されすぎるのを防ぐことができることが分かっていたと思う」

ダーティーレモンでは2017年も、新商品の発表から未来の顧客をターゲットにした新たなマーケティング計画の実行など、事業の拡大に取り組んでいく計画だ。

キャロルは「私たちはとても新しい領域に挑んでいます。顧客の声がこれほどにブランドに影響を与えるものだということを目の当たりにしている。これからもその声に耳を傾けながら展開していくことが本当に楽しみです」と展望を語っている。

編集=森 美歩

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