グーグル創業者も抗議デモ参加 反トランプでIT業界が団結の動き 

Anadolu Agency / gettyimages

1月28日、米国各地の国際空港には「トランプにノーを」「米国は移民の国だ」といった声をあげる抗議集団が押し寄せた。ニューヨークのケネディ国際空港には約2,000名のデモ隊がつめかけ、サンフランシスコ国際空港には地元のIT業界関係者らの姿も多数確認された。

「ようこそイスラム教徒たち」と書かれたボードのそばにはYコンビネータ社長のサム・アルトマン(31)の姿があった。シリコンバレーで最も影響力の強いベンチャー投資家である彼も抗議の群れに加わっていたのだ。

フォーブスの取材に彼は「これは人々がトランプ政権に一致団結して立ち上がった決定的瞬間だ」と述べた。「(移民排斥措置は)許し難い暴挙であり、我々は抗議の声をあげねばならない」

アルトマンは当日の朝、「立ち上がるべき時が来た」と題したブログを公開し、抗議活動の模様を知って現場に駆けつけたという。デモにはグーグル共同創業者のセルゲイ・ブリンも参加しており、参加者らとともにセルフィーを撮り、40分間にわたり活動家らと行動をともにした。

「私も移民だ。だからここに来た」とブリンは述べた。

アルトマンはYコンビネータの役員らと今回の件を話し合ってきたという。28日にはアップルのティム・クックCEOやマイクロソフトのサタヤ・ナデラらが従業員宛のメールで、大統領令に対する不満や、移民が彼らの企業にとっていかに重要であるかを述べていた。

「抗議の意思を示す多くのCEOらと、メールやメッセンジャーで言葉を交わした。個人的な会話の内容は明かさないが、この抗議が何らかの結果をもたらすことを期待している。望むべくはここ数日の間に」とアルトマンは述べた。

イーロン・マスクも懸念を表明

翌29日未明にはアルトマンと親交が深い、テスラのイーロン・マスクもツイッターで、言葉を選びつつ移民政策に関する意見を述べた。マスクは新政権の諮問委員を務めており、トランプとは複数回のミーティングを重ねている。

「イスラム教徒が多い特定の諸国民らの入国を包括的に禁ずることは、米国の未来を切り拓く上で最良の選択とは言えない」とマスクはツイッターで述べた。
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編集=上田裕資

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