ピーター・ティール(Photo by Alex Wong/Getty Images)

ドナルド・トランプの政権移行チームメンバーを務め、トランプの腹心と囁かれるシリコンバレーの著名投資家のピーター・ティールが、密かにニュージーランド国籍を取得していたことが明らかになった。

ティールはドイツに生まれ、少年時代にアメリカ国籍を取得した。ニュージーランドの内務省の資料から、そのティールが2011年3月にニュージーランド国籍を取得していたことが分かった。このニュースは地元紙「ニュージーランド・ヘラルド」が報じ、ティールが1,000万ドルの土地をワナカ湖付近に購入していたことを突き止めた。

ティールの広報担当はこの件にコメントを避けた。ヘラルドの報道では内務大臣のネイサン・ガイは他の政府高官らとともに、ティールのニュージーランドの市民権取得を承認していた。

トランプが移民追放を訴え、メキシコ国境に巨大な壁を設けると宣言して大統領選に勝利した一方で、ティールがニュージーランド国籍を取得していたことは、非常な皮肉だ。「これからは、アメリカ第一主義で全てを進めていく」と、トランプは大統領就任演説で宣言したばかりだ。

ティールのニュージーランドに対する愛情は以前から広く知られていた。ペイパル創設者であり、フェイスブックの最初の投資家である彼は、この島を「ユートピア」と呼んでいた。ティールは映画「ロード・オブ・ザ・リング」の長年のファンでもあり、この映画はニュージーランドで撮影された。ティールが設立した企業のMithril CapitalやValar Ventures、Palantir Technologiesはこの映画にヒントを得て名づけられている。

資料によるとニュージーランド国籍の取得にあたっては通常、5年間の間に70%以上の時間を同国で過ごしていることが求められる。カリフォルニアでほぼ全ての時間を過ごすティールがこの条件を満たすのは不可能にも思える。しかし、規定には例外も設けられており、移民局の大臣が「人道主義的観点やその他の理由で、例外的状況と認める場合」は国籍の取得が可能となっている。

NZで「核シェルター」購入説も

昨年10月の「ニューヨーカー」の記事で、Yコンビネータ代表でティールの友人であるサム・アルトマンは、ティールがニュージーランドの土地を持っていることについて語り、「それは世界に壊滅的事態が訪れた場合に備える準備ではないか」と述べている。

今月発売された「ニューヨーカー」の別の記事でも、数人のシリコンバレーの著名人らがニュージーランドについて、「スーパーリッチな人々が世界終末の日に備え、移住を検討すべき場所になっている」と述べている。ティールの別の友人であるベンチャーキャピタリストのReid Hoffman も次のように述べている。

「自分たちの間では、誰かがニュージーランドに家を買ったと聞いたら、その理由を詮索したりはしない。それはフリーメーソンの仲間入りをするようなものだ。『実は最近知り合ったブローカーから、中古のICBMミサイルの格納庫を入手できそうなんだ。それは核攻撃にも耐える格納庫で、その中で暮らすのも悪くないかもしれないな』なんて会話が交わされていたりする」

編集=上田裕資

 

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