情報筋によると、彼はトランプ政権のチーム編成に協力し、候補者の吟味や「オルタナ右翼」と呼ばれる陣営からの承認を得る活動をしているという。自称「不正を暴くジャーナリスト兼作家」のジョンソンは現在28歳。彼は大統領選挙の数か月前からソーシャルメディアや自身が運営するニュースサイト「GotNews.com」上でトランプの応援を繰り広げ、トランプを批判する人々に向けては虚偽の情報を流した。そのジョンソンが、この国の運営を担うリーダーたちの選出に一役買っているというのだから驚きだ。
フォーブスは、政権移行チームの関係者から匿名を条件に、ジョンソンが関与している事実を突き止めた。先月、ジョンソンに意見を求めたところ、彼は「公式な肩書はない」と述べるにとどまり、具体的な関与についてはコメントを避けた。昨年12月の段階では、電話やメールでのインタビューに応じるとしていたが、今月に入ってコンタクトをしたところ、コメントを拒否した。
ジョンソンは昨年末に行ったメールでのインタビューで、次のように述べている。「トランプ政権の誕生についてはとても嬉しく思っているが、私が希望する人材の多くは政権メンバーに選ばれていない」
ジョンソンは、12月22日のラジオ番組にリバタリアンのブロガー、Stefan Molyneux と出演し、「トランプ政権のために多くの人物の精査を行っている」と述べている。彼は「Black Lives Matter Movement(黒人の命だって大切だ運動)」の活動家を脅したために、2015年5月にツイッターからアカウント使用禁止処分を受けている。
「オルタナ右翼」から絶大な支持
その後も他人を誹謗中傷したり、虚偽の情報を流してネット上の「荒らし」としてその名が知られるようになった。彼は、ニューヨーク・タイムズの記者の住所を公開したり、バージニア大学で起きたレイプ事件の被害者として関係の無い女性の名前を公開したり、オバマ大統領が同性愛者であると公言するなど、これまでに多くの物議を醸してきた。
2014年のマザー・ジョーンズ誌とのインタビューで、ジョンソンは自身について次のように語っている。「ツイッターに投稿するとき、私はまるで別人格のように好戦的になる。それは、スパイダーマンがコスチュームを着ると穏やかなカメラマンから豹変するのと似ている。私は、自分が発信したコンテンツを拡散させるために、あえてそのようにしているのだ」
ジョンソンは、自身が運営するGotNewsを「嘘だらけの主要メディア」に対抗するものだとしている。彼によると、月間ページビュー数は250万に達するというが、ネット視聴率調査のQuantcastは過去30日間で24万6,000人が同サイトを訪れたと推計している。サイトを見ると、テッド・クルーズ上院議員が連邦最高裁判事の指名間近であることや、トランプが2016年の上院議員選でジョン・マケインを支持したことを「最大の後悔」と述べているといった記事が掲載されている。