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2017.01.31 08:30

隣のあの子は、なんのプロ? 噂のNHKアプリの「意外な」使われ方


そして上田さんは、「このアプリは、誰しもの中にある小さなp=プロフェッショナルに気づくきっかけを作り、まるで自分が番組の主人公になったような感覚になる中で、自分も大きなPを目指してもいいんだという“自信”を与えてくれる」と言います。それがプロフェッショナル・コンフィデンス(自信)なんですね。

プロになっていく過程では、この“自信”がものすごく大きな後押しになるんだそうです。なるほど。そうなると、らくがきのプロの中学生と宮崎駿さんは、アマチュアとプロという形で分断されているのではなく、実は陸続きであると考えられるのかもしれません。らくがきのプロは未来の宮崎駿なのかもしれないし、宮崎駿はかつてらくがきのプロだったかもしれない…うーん、なんだか壮大な話になってきました。

実は、元々僕たちもこのアプリは教育現場で使ってもらいたいと思っていました(実際このアプリのカテゴリは「教育」でリリースされています)。ただし、僕たちが想定していたターゲットは就活前の学生さん。アプリを使って本気で動画を作るとなると、自分の強みや信念を相当深掘りする必要があります。ですから、高校や大学のキャリア教育の中で使えるツールとして役に立てないかなと考えていたのです。

実際、高校や大学で使って頂いているという話はよく耳にしたのですが、まさか中学校で使われるとは。さらにその使われ方の深さに、目から鱗が落ちる思いでした。

さて、覚えていらっしゃいますでしょうか。前回の記事は「テレビって、オワコンでしょうか?」という問いかけから始めさせてもらいました。もちろん僕は全然オワコンじゃないと思っています。このアプリを例にとって言えば、プロフェッショナルという番組は、まだまだ僕たちの気づいていない“可能性の塊”だったことが明らかになりました。もうオワコンどころか、やらなきゃいけないことがめちゃくちゃ目について、くらくらするほどです。

当たり前のことかもしれませんが、番組の持っている価値というのは、なにも“テレビ”というデバイスの中だけで、“番組”という形でのみ消費されるモノではないんですよね。僕はそのことにようやく最近になって気づき始めました。

そしてこれも当たり前のことですが、僕たちが大切にすべきなのは、番組の持つ情報や価値をきちんとユーザーにお届けすることです。ですから、超極端なことを言えば、僕は場合によっては番組を見てもらえなくてもいいと思っています。

いや、もちろん見てもらいたいですよ。ディテクターたちが必死になって作りあげる番組です。ちゃんとテレビで見てもらいたいに決まっています。でも、そこにこだわるあまり、情報や価値が全然届かないということだけは絶対に避けたい。テレビでもアプリでもいい、どんな方法でもいいから、番組の持つ情報や価値をユーザーにお届けし、何らかの役に立っていくことが大切だと本気で思うのです。

さて、長くなってきましたのでそろそろ終えます。今回も前回同様、最後に流儀を繰り出して筆を置こうと思います。ちょっとプロフェッショナルのナレーション風に書いてみますね(脳内にあの橋本さとしさんのナレーションを思い浮かべてください)。

NHKのディレクターとして、走り続けて14年。
大好きだった番組作りをやめ、いつしか“1人広告代理店”と呼ばれるようになった。
葛藤の末に掴んだ、ひとつの流儀がある。
(音:ぽーん)
『NHKの価値をしゃぶり尽くして、社会に貢献する』

次回は、この「NHKの価値をしゃぶり尽くす」ということについて、もう少し詳しくお話しさせて頂ければと思っています(プロフェッショナル風を連発していると、そろそろプロデューサーからすごい叱られそうなのでもうやめます…)。

文=小国士朗

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