フェイスブック、偽ニュース排除に向け「メディア業界と連携」強化

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元TVキャスターが改革を主導

プロジェクトの一部を指揮するのは、CNNのニュース番組などでキャスターを務めた元テレビジャーナリストのキャンベル・ブラウン(Campbell Brown)だ。彼女は新設されたニュース・パートナーシップ部門の責任者としてフェイスブックに入社し「これまでの経験を活かしてジャーナリストとの関係強化を図りたい」と述べている。

フェイスブックは企業に必要不可欠なプラットフォームとなっている一方で、パブリッシャーの多くは企業の広告予算の大部分をグーグルやフェイスブックに奪われ、苦戦を強いられている。フェイスブックのメディアとしての存在感が増す中、昨年11月の米大統領選挙では虚偽のニュースが拡散され、選挙結果に影響を及ぼしたとの批判も高まっている。

当初、マーク・ザッカーバーグCEOはこの問題に対して慎重な姿勢を見せていたが、批判の高まりを受けて対策を矢継ぎ早に発表した。12月中旬には、複数のユーザーが虚偽のニュースであると報告したコンテンツについて、第三者機関を使って真偽の確認を行い、虚偽であることが判明した場合は「Disputed(真偽を問われている)」という表示とともに、第三者機関による説明を掲載することを公表した。

フェイスブックは、虚偽のニュースを配信する勢力の排除にも取り組んでいる。スパム業者の多くは正規のニュースメディアを装っているため、今後はドメインのなりすましをできなくする。また、フェイスブックはパブリッシャーのサイトも確認し、コンテンツが本当にスパムか精査をするという。

ピュー研究所の調査によると、アメリカ人の半数近くがフェイスブックを主な情報源として利用しており、そのメディアとしての影響力は極めて大きい。フェイスブックの月間ユーザー数は20億人に達し、その影響力は全世界に拡大し続けている。

編集=上田裕資

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