オバマ大統領「退任演説」、称賛すべき5つの理由とは

photo by Darren Hauck / gettyimages


・「首句反復」─文章の最初の言葉や句を繰り返すことで、その部分を強調する

「8年前にもし私が、米国は経済危機から脱し、自動車産業を復活させ、…と言ったら、もし私が、キューバの人々との間で新たなページを開き、一発の銃弾も発射することなくイランの核兵器開発を停止させ、…と言ったら、もし私が、結婚の平等を認めさせ、2,000万の米国民に新たに医療保険に加入する権利を保証すると言ったら。もし私がこれらの全てを伝えたら、皆さんは私たちの目標が少し高すぎると言っていただろう」

・「三の法則」

オバマは段落や文の中で、「三の法則」(古代ギリシャで「トリコーロン」と呼ばれた技法)を用いる。コミュニケーションにおいて「3」は最も大きな力を持つ数字の一つだ。

「米国は依然として、世界で最も豊かで、最も強い力を持ち、最も尊敬を集めている国だ」(「最も」に続く言葉が徐々に増えるところが、非常に有効な点だ)

「皆さんは公平で、公正で、包括的なアメリカを信じている」

「Yes, we can.」

5. 身振りで伝える

オバマは自分の発した言葉を強調するために、力強く明快なジェスチャーを使う。そのとき、両手は腰よりも高い位置にある。目的を持った力強い身振りが伴わなければ、力強い言葉も聴衆には伝わらないだろう。

大統領として米国民に向けたオバマの最後の演説には、言葉、文章の構成、話し方、ジェスチャー、演説者個人の経験、これら全てがそろっていた。

米国大統領の演説はわずかの間ながら、国民を一つにし、高揚させる。それは、称賛に値するものだ。

編集 = 木内涼子

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