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2017.01.12

トランプが接近の中国「謎の富豪」 鄧小平の孫を妻に持つ男

photo by Chip Somodevilla / gettyimages

中国の保険大手、安邦保険集団と米国のトランプ政権の接近が話題にのぼっている。安邦保険を率いるウー・シャオフゥイ(吳小暉、Wu Xiaohui)は、トランプの娘婿のジャレッド・クシュナーと、マンハッタンの666 Fifth Aveビルの再開発に関して交渉中であるとニューヨーク・タイムズが伝えている。

シャオフゥイはかつて中国共産党の指導者だった鄧小平の孫を妻に持つ人物。フィナンシャルタイムズの報道では、彼はこれまでメディアのインタビューに一切登場していないという。

安邦保険は2014年にニューヨークの老舗高級ホテル、ウォルドーフ・アストリアを米投資会社ブラックストーンから19億5,000万ドルで買収。その後、米ストラテジック・ホテルズ・アンド・リゾーツを約65億ドルで不動産投資信託会社から買収するなど、米国で盛んに不動産投資を行なっている。

同社は1,150億ドル(約13兆円)以上の土地資産を保有していると述べている。会長のシャオフゥイの資産も相当な額にのぼると見られるが、フォーブスアジアの調査では、彼は同社株を正式には所有していない模様だ。

2016年10月時点で中国政府が公開した資料によると、安邦保険の株式の少なくとも3%を10名の株主らが所有しており、フォーブスの資産では各人の資産額は最低でも10億ドル以上にのぼる。また、これらの株主らは安邦保険の役員リストには名を連ねていない。株主のうち数名は中国ではありふれた名前であるウーと同じ名字の人物だ。

2016年9月にニューヨーク・タイムズは、安邦保険の役員メンバーの多くは会長のウーの親戚であるとの報道を行なった。安邦保険側はこの件に関しコメントを控えている。

編集=上田裕資

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