体にドラゴンを巻き付けたエルザ・ホスク(Samir Hussein / gettyimages)


ナイキが中国で成功した理由

動画は、学校帰りの若い少年がサッカーボールをリフティングしている場面で始まる。その後、バスケットボールのドリブルをする女子たち、駆け抜ける自転車、スケートボーダーとフリスビーのプレイヤーが次々に現れる。最後のシーンはローラーホッケープレイヤーやBMXのバイクライダー、ゴルファー、ランナーに続き、“Just Do It”のメッセージが現れる。

この広告はスポーツをテーマにしているように見えるが、同時に中国人が毎日経験している内面の緊張も描き出している。若い中国人たちは、家族と社会から学業や仕事での成功を期待され、重圧を感じている。また、中国文化は共同体意識が強く、同調圧力も感じている。

ナイキの動画は、型にはまった考え方に対する反抗的な態度を応援していると受け止められた。「あなたはそれを栄光のためにする必要はない。あなたはそれを有名になるためにする必要はない。他の人と同じようになる必要もない」と動画のメッセージは訴えた。

つまり、何かをするために正しい方法なんてない。Just Do It(行動あるのみ)なのだ。そのメッセージは中国の若者に強く訴えかけ、彼らが自身の道を見つけること、他の人々と異なることを後押しする。2か月おきにナイキのシューズを買う中国人若者がいるのも納得できる。

中国のミレニアルの消費者は今後10年、消費の成長の主要なけん引力となるだろう。企業は彼らの心をつかむため、その内面を十分に理解しなければならない。

編集=上田裕資

 

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