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2017.01.03

激変するフィンテック「3大テクノロジー」とロンドンの躍進

spatuletail / shutterstock.com


NYの地位を奪うロンドンの規制緩和

近年はフィンテック企業の誘致に積極的な国や都市が増えてきた。これまでは、テキサス州オースチンやカリフォルニア州パロアルト、ベルリン、香港などがフィンテック企業の一大集積地だったが、アクセンチュアによるとこれらの都市は規制の枠組みを変更することに苦労しているという。例えば、ベルリンでは金融サービス監督庁(BaFin)がフィンテックに対する規制を緩めるどころか、逆に強化している。

一方でフィンテックに柔軟な対応をしているのが、ニューヨークに次いで世界で2番目に大きいフィンテックのハブであるロンドンだ。金融行為監督機構(FCA)が推進する「Sandbox(砂場)」という取組みでは、革新的なソリューションに対しては現行法を即時適用しないとしている。また、フィンテック企業がFCAに自由に助言を求めることができたり、FCAがフィンテックの発展に合わせて現行法を修正することを認めているなど、ロンドンはフィンテックの発展を後押ししている。

スイス政府も、国を挙げてフィンテックを発展させる方針を明らかにしており、今後はチューリッヒやジュネーブがフィンテックの新たなハブとして台頭する可能性がある。ニューヨークが硬直的な金融規制の見直しを図らなければ、世界の金融センターとしての地位をロンドンに奪われかねない。また、このままではフィンテックの集積地はベルリンやパロアルトからチューリッヒやロンドン、シンガポールに移ってしまうだろう。

フィンテック分野では、これまで銀行が運用してきた何兆ドルもの資産をターゲットにした新たな金融サービスが次々と誕生することだろう。

編集=上田裕資

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