ビジネス

2016.12.28

【鼎談1万字!】日本のマネーマスター3人が語る「資産大国ニッポン」への道

[左]ゆうちょ銀行取締役兼代表執行役副社長 佐護勝紀 [中]Forbes JAPAN編集長 高野真[右]GPIF理事兼CIO 水野弘道


高野:最後に、お二人の個人的な「将来の夢」を教えてください。この鼎談のインタビューの冒頭で「前職の外資系金融機関でのキャリアを最後に金融業界から離れようと考えていた」というお話がありました。今の仕事もいつかはリタイアする日がくるわけですが、その時にやってみたいことはありますか?

水野:辞めたらやりたいことは沢山ありますよ。前職時代に「この仕事を最後に金融業界から“引退”する」と考えていたわけですが、それは結果として、この職務につくにはとても必要なことでした。取引先である金融業界とも場合によっては真剣勝負になる。「この後はこの業界にはいない」という気持ちでなければ、そもそも仕事ができません。

次に何をするかはまだ決めていませんが、金融や運用に携わる仕事は一切やらない。それだけは就任当時から決めています。

佐護:それは本当に水野さんのおっしゃる通りです。「金融業界で次はこんなことをやってみたい」なんてことを考えていたら、今の仕事はやっていけません。ただ、現段階で何か具体的に考えているわけではありませんが、私はもともと理系の人間ですので、テクノロジー分野には強い興味を持っています。

高野:佐護さんは工学系で大学院まで行っていますよね。確かに私も金融業界にいた時は、その仕事以外のことをする余裕、考える余裕はありませんでした。

金融業界を離れた今、一気に世界が広がった感はあります。いつか、お二人が金融を離れた際は、何かお力になれたらと思っています。

水野:一足先にこの業界卒業して人生謳歌している高野さんを見ていると、早く卒業したいといつも思います。ただ、高野さんに助けて頂くと、その後が高くつきそうなので遠慮しておきます(笑)。

佐護:とりあえず相談がてら二人でご馳走になりますか(笑)。


佐護勝紀◎1992年ゴールドマン・サックス証券入社。債権部門金融商品開発部長などを歴任後、2011年取締役副社長証券部門統括、14年副会長に就任。15年ゆうちょ銀行執行役副社長、16年取締役兼代表執行役副社長。[スーツ 参考商品/ミラ・ショーン(ロンナー)、ネクタイ 17,280円、チーフ 4,860円/全て 三陽山長(三陽山長 銀座店)]
 
水野弘道◎1988年住友信託銀行入社。2003年コラーキャピタル(英国)パートナー、12年京都大学iPS細胞研究所特任教授、13年大阪大学大学院医学系研究科招聘教授、14年GPIFアドバイザー、15年1月から理事兼CIO。[スーツ 172,800円/三陽山長(三陽山長 銀座店)、シャツ16,200円/ダーバン、ネクタイ 5,400円/ヒロココシノオム(共にレナウン プレスポート)]
 
高野 真◎1987年大和証券入社後、大和総研へ出向。97年ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント入社、99年執行役員企画調査室長、01年ピムコジャパンリミテッド入社。02年取締役社長に就任。14年から本誌編集長。

構成=山川徹 写真=若原瑞昌

この記事は 「Forbes JAPAN No.31 2017年2月号(2016/12/24発売)」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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