「今後プーチンが同じような行動に出ないためにも、報復措置を取ることは非常に重要だ。これは、中国やイラン、北朝鮮へのメッセージにもなる。報復の内容は、大規模な制裁や、ロシアの敵国であるウクライナへの武器供与など、ロシアに大きな打撃を与えるものでなければならない」とモレルは話す。
モレルの発言の数日前、トランプはツイッター上でCIAとFBIを批判し、ロシア政府がサイバー攻撃に関与したとする分析は根拠が薄いと主張している。トランプは12月12日にも次の様にツイートしている。
「ハッキングは、犯行の現場を押さえない限り、犯人を特定することは難しい。CIAとFBIは、なぜ大統領選前にこの問題を指摘しなかったのか」
しかし、国土安全保障省と国家情報長官はかねてよりロシアが犯人であると指摘していた。また、CrowdStrikeやThreatConnectなどのサイバーセキュリティ企業も、ロシアのハッカー集団「APT28」がプーチンの指示を受けてハッキング活動を行っているとして何年も前から監視を行なっている。APT28は今年、民主党全国委員会のシステムに不正侵入したとされ、サイバーセキュリティ企業らはその証拠を握っているという。
CrowdStrikeで最高技術責任者家を務めるDmitri Alperovitchは、ツイッター上で次の様に投稿している。
「我々のシステムは、5月にロシアのハッカー集団が数週間にわたり行なったサイバー攻撃を全て捉えており、彼らをネットワークから排除するための対策を講じた」
9.11テロに匹敵する政治的インパクト
「トランプがこれらの情報を無視することはリーダーとして不適切で、利己的でもある。また、大統領として情報機関との関係を悪化させることは問題だ」とモレルは話す。ブッシュとオバマの2代の大統領に仕えたモレルは、ロシアによるサイバー攻撃について「政治的なインパクトは9.11に匹敵する」と指摘する。