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2016.12.14

定期購入型の通販ビジネス人気に陰り バーチボックスの未来は危うい?

Narong Jongsirikul / shutterstock


2. パーソナライズ

インターネット販売の定期購入サービスをカスタマイズすることは、理論的には簡単なことだ。利用者がログオンして、お気に入りの商品を更新するだけだ。だが、利用者たちが忙しかったり、面倒だと思ったりすることで(あるいはその両方で)、最初に欲しい商品を選んだ後は、ほとんど情報が更新されることはない。その結果、ボックスに入るのは利用者にとって知覚価値の低い、退屈な品揃えだということになってしまう。

そのパーソナライズをうまく実現しているのが、「ジャストファブ(JustFab)」だ。同社は米女優ケイト・ハドソンがプロデュースするフィットネスウェア・ブランド「ファブレティックス(Fabletics)」などの商品を400万人以上の会員に提供する。会員が自ら選ばなかった商品は決して送らない方針で、それが顧客満足度と顧客維持率の上昇につながっている。同業の中では、上場を狙う数少ない企業だ。

3. 隙間を埋める

定期購入型の通信販売事業に参入する際の障壁は極めて低い。各社が発送するボックスは毎月膨大な数に上る。市場は飽和状態にあるのだ。その中で存在感を示し、成功を収めるためには、事業者は隙間を埋める商品、つまり満たされていないニーズを満たす商品を届けなくてはならない。

ダラー・シェイブ・クラブは、切れ味の悪くなったカミソリの刃を交換するコストと手間は非常に大きいと判断。ニーズがあることすら認識していなかった市場に、そのニーズを知らしめ、成功した。

最終的に生き残ることができるのは、こうした小売業の中核をなす原則から焦点をそらすことなく、ビジネスを続ける企業だけなのだ。

編集 = 木内涼子

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