アップル、自動運転のカギを握る「業界歴30年」の元GM社員

アップルCEO ティム・クック (Laura Hutton / Shutterstock.com)


Kennerのリンクトインの経歴が更新されていないことから、アップルがKennerの雇用を外部に知られたくないことがうかがえる。自動車のように厳しく規制され、資本集約的な業界では、Kennerのような経験豊富な人材が不可欠だ。

イーロン・マスク率いるテスラは、2008年から電気自動車の販売を行っているが、いまだに州ごとに異なる規制や部品メーカーとの関係構築、技術革新や生産能力向上のための資金集めなどに苦労している。

また、天才ハッカーのGeorge Hotzは、普通車で半自動運転を可能にするキット「Comma One」を999ドルで販売しようと試みたが、規制当局が安全性を立証するための技術データの提出を求め、中止を余儀なくされた。アップルが自動車業界に参入する上で、Kennerはまさにうってつけの人材だと言える。

アップルのティム・クックCEOが多くを語らない中、同社の方針はまだ不明瞭だが、Kennerの書簡を読む限り、アップルが自動運転車の開発に引き続き強い関心を抱いていることは確かなようだ。



編集=上田裕資

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