「自分は絶対に正しい」人が間違っている理由

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小学生だった頃、どんな問題でも自分なら解けると思っていたクラスメートが一人や二人はいたはずだ。そういう子は、他人の発言中にも割り込み、いつも最後に一言意見を言わないと気が済まない。皆で遊んでいる時でさえも、一番正しいのは自分だと主張する。

残念ながら大人になっても、職場で似たような同僚を目にする。小さい頃の知ったかぶりは、大人になっても変わらないようだ。あなたの同僚、あるいは上司がそんな人の一人かも知れない。「ああ、あの人か」と思った人はまだよいが、ピンとこない人は問題ありかもしれない。その知ったかぶりの嫌な奴は、あなた自身かもしれないのだ。

あなたは、自分が知ったかぶり屋である事実に気付いていない可能性はあるだろうか? その答えは、自分自身に次の単純な質問を問いかけてみれば分かる。「私は、自分が常に正しいと思っているか?」

言い訳はせず、あくまでも正直に答えて欲しい。自分では認めたくないかも知れないが、「私は会社の幹部なんだから、もちろん正しいに決まっている!」などと正当化しようとする自分を少しでも感じるなら問題だ。

自分が常に正しいという考えは、間違っていることもある。そういう人間は、人々を敵に回したり、対話やアイデアを抹殺したり、周りから避けられる存在になったりする。

以下に、自分は常に正しいと思ってしまう典型的な要因と、知ったかぶり屋になるのを避ける思考方法をマスターする方法を紹介する。

人の話を聞いていない

アクセンチュアが実施した最近の調査では、人の話を聞く能力について、大半の人が自分を過大評価していることが明らかになった。自分は常に正しいと考える人も、そうした人々の一人だろう。自分に自信がある人は、丁寧な説明をせずに物事を推し進め、人の意見に耳を傾けないばかりか、複数の事を同時並行でやってのけようとして会話も疎かにしてしまう。

こういうことをせず、手を止めて人の意見に真剣に耳を傾けよう。すると、自分が常に正しいわけではなく、少なくともささいな間違いがあったことが分かるかも知れない。人の話を聞けるようになると、良き仕事仲間になれるだけでなく、自分自身の専門能力も向上する。

常に自分が正しいと考えるあまり、他人のアイデアを反故にしてはいけない。多くの事を学ぶ機会を、みすみす葬り去ることになる。人の意見を聞いても考えは変わらないかも知れない。だが注意深く耳を傾ければ、少なくとも他の人間がなぜ違う考え方をするのかが理解できるようになる。

自分の枠を広げる努力が足りない

これは説明必要にも思えるが、本当だ。人は、同じ仕事を何度も繰り返し手掛けているうちに、何もかも完璧に出来ていると感じるようになる。実際に完璧なのかも知れないが、問題なのは「壊れていなければ改善の必要なし」というスタンスを取ることでイノベーションと向上の可能性を閉ざし、結果的に仕事の成果が伸び悩むことだ。

自分が常に正しいと思っているあなたはおそらく、同じ動作を繰り返し、先月、さらには去年とまったく同じ方法でチェックリストをこなしている。だが、それではあなた自身の成長や、チームの生産性向上には結びつかない。思い当たる節があるなら、仕事の可能性を拡げ、継続的に自分を成長させるために、更に続きを読んでいただきたい。以下の2点は共に、優れたリーダーやチーム、世界のトップ企業に貢献した人々に共通する要素だ。
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編集=遠藤宗生

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