ビジネス

2016.12.12

インスタグラム・シストロムCEOの「運命を変えた出来事」

インスタグラムをフェイスブックに売却した2012年当時のケビン・シストロム(右)とマイク・クリーガー(左)。二人は今もそれぞれ、CEOと最高技術責任者(CTO)として同社で活躍している。(Photo by Ethan Pines)

大学でふらっと立ち寄ったカリグラフィーの講義で、文字の美しさに魅了されたことがきっかけだったー。

スティーブ・ジョブズが、マックに複数のフォントを搭載することを決めた逸話は有名だが、インスタグラムのケビン・シストロムにも似たような話がある。

スタンフォード大学の学生だったシストロムは、写真撮影を学ぶためにイタリアのフィレンツェへ飛んだ。

「年月で色褪せた写真の美しさ、というものをそこで知ったよ。“不完全な美しさ”も」

そう語る彼は、そのときに得た着想を後のインスタグラムの開発につなげている。

また、フィレンツェ留学期間中にもう一つ、運命を変える出来事があった。起業プログラムに申し込んだことで、エバン・ウィリアムズ率いるポッドキャスト開発企業「オデオ」でインターンをする機会を得たのだ。後に「ツイッター」を生んだ会社である。

そのとき、一緒にアプリを開発した同僚の名はジャック・ドーシー。ツイッターの共同創業者であり、簡易決済サイト「スクエア」の共同創業者でもある。二人は意気投合し、ドーシーはインスタグラムに投資している。

近年、「大学を中退してでも、起業すべき」という声もあるが、シストロムはこう言う。

「大学はムダと言う人もいるけれど、僕は賛成できない。そこで得た経験や学んだことは、そのときは不要に思えるかもしれない。でも人生が進むにつれ、役立つものだよ」

翻訳=木村理恵

この記事は 「Forbes JAPAN No.29 2016年12月号(2016/10/25発売)」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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