AI搭載の超高機能ヘッドフォン「Vinci」 わずか99ドルで発売中

Credit: Ben Sin


米国に留学、MITで学んだ中国人


「Vinciのアイデアを思い付いたのは、私がMITに留学中だった3年前。iPhoneを装着し、ヘッドホンでジョギングしている人を多く見かけ、もっとスマートな方法があるはずだと考えた」とウーは話す。北京生まれのウーは、米国のカーネギーメロン大学で博士号を取得後、MITでハードウェア工学を学んだ。

「歩きながらスマホを取り出すよりも、ヘッドホンで操作する方がはるかに便利だ」とウーは話す。サイズがやや気になるが小型化できれば普及する可能性は大いにあるだろう。

Vinciは今後SDKを公開し、サードパーティ製アプリを自社プラットフォームからダウンロードできるようにする。例えば、マクドナルドがVinci向けアプリを開発すれば、ヘッドホンを装着したまま音声でビッグマックを注文できるようになるかもしれない。開発で最も苦労したのは、ユーザーインターフェースだという。「Vinciの場合は聴覚や触覚で直観的に操作できるようにする必要があった」

ウーはこの1年間、音声認識システムの開発に注力してきた。デモ機ではまだ完成には至っていないが全てを自社開発した技術力は高く評価できる。

ウーが描く未来図は非常に野心的だ。消費者がヘッドホンにこれだけの機能を求めているかは疑問だが、世の中を変革しようとするウーの挑戦は尊敬に値する。Vinciはヘッドホンとしての性能も高く、中高音が鮮やかで、低音も迫力がある。何よりも、他のデバイスに繋がなくても音楽を聴けるのは便利だ。

編集=上田裕資

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