米では白人よりアジア系女性が肯定的、「職場経験と人種の関連性」

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米大統領選でドナルド・トランプが驚きの勝利を収めて以降、アナリストやコメンテーターたちは、投票結果に関するさまざまな分析を行っている。その中で注目されているのが、白人の女性有権者の53%が「仲間」のヒラリー・クリントンではなく、トランプに一票を投じていたということだ。

その理由については複数の説が挙げられている。これまでに明らかになっているのは、白人ではなくアフリカ系とヒスパニック系の女性たちが、圧倒的にクリントンを支持したということだ。

女性の労働環境の改善を目指すフェアリーゴッドボス(Fairygodboss)はこの問題への注目度の高まりを受け、「職場での経験と人種の関連性」について調べてみることにした。白人女性とそれ以外の人種の女性たちの職場での経験は、どのように異なるのだろうか。

驚きの結果

調査結果は、私たちを驚かせるものだった。多くの人たちが、有色人種の女性の方が職場での偏見(公然・無意識のどちらも含めて)に苦しむ割合が大きいと考えているのではないだろうか。そして、そうした偏見はこれらの女性たちに、白人女性以上に否定的な影響を及ぼしていると思っているのではないだろうか。

実際に、男女の賃金格差を示すデータを参照してみると、ヒスパニック系とアフリカ系、先住民の女性たちの年収の中央値は、白人とアジア系の女性たちのそれを下回っていることが分かる。

だが、職場での経験に関する調査結果をみると、白人女性が必ずしも、その他の人種の女性たちより楽観的だというわけではないことが明らかになった。実際には、「雇用主が自分たちを公平に扱っている」と考えている女性が最も多いのはアジア系だ。66%が、職場での男女差別はないと答えている。次いでその割合が大きかったのは黒人女性(60%)で、同様に回答した白人女性はさらに少なかった(56%)。

仕事に対する満足感についても、意外な結果となった。人種的に少数派の女性たちは、性別と人種による差別の双方を経験するだろうと考え、最も不満が少ないのは白人女性だとみている人が多いかもしれない。

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編集 = 木内涼子

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