ビジネス

2016.11.21

中国最大の売春都市が生んだスマホメーカー「金立」 急成長の裏側

金立/Gionee(ジオニー) のスマートフォン (Photo by Priyanka Parashar/Mint via Getty Images)


「私は大学を1994年に卒業し、20年間に渡り様々な工場で勤務し、中国のエレクトロニクス業界の急成長を目の当たりにしてきた」と彼は話す。
Liによると、Gioneeでは全工程を通じ3つのチームが品質管理を分担して行なう。まず最初のチームが製品の信頼性をチェックし、2つ目のチームが不良品の原因を究明し、3つ目のチームが追加検査を行なう。このようにして品質管理を徹底するのだという。

最新モデルはインドで大人気に

Gioneeは潤沢な資金力を活かし、機械設備に多額の資金を投じ、最近は数百万ドルを費やしてシーメンスとパナソニックからサーキットボードを作るためのSMT(表面実装技術)機器を50台購入した(1台当たりの価格は約300万ドル)。これらの装置の性能は非常に高く、クアルコムがプロセッサのテストを依頼してきたほどだ。

Gioneeでは部品の一つ一つをバーコードで管理しており、問題が起きたときにすぐに原因を特定できる体制を整えている。例えば、輝度センサーに不具合が見つかったとき、バーコードを調べることで、その端末がどのラインの誰によって組み立てられたかすぐにわかるという。

筆者はGioneeの最新モデル「M6」を使ってみてその性能の高さに驚かされた(Ginoeeのソフトウェアは筆者の好みではないが)。M6の特徴は、暗号化チップを搭載してハードウェアレベルでセキュリティを高めていることだ。Gioneeのスマホは特にインドで人気が高く、2015年に出荷された1,000万台の多くはインドで売られた。アメリカではまだ無名に近いが、Ginoeeはアメリカ進出も視野に入れている。

「スマホ競争はマラソンに似ている。中国メーカーはアメリカ進出に当たって、規制や官僚主義に直面している。時間が掛かるかもしれないが、我々は気長に取り組んでいく」とLiは話す。

当面、Ginoeeは中国とインドに注力するという。同社は最近、ミッドレンジモデル「S9」をリリースした。アルミボディにデュアルカメラを搭載し、価格は364ドル。12月には新たなフラッグシップモデルを発売する予定だという。

編集=上田裕資

タグ:

ForbesBrandVoice

人気記事