FBIとトランプが生む史上最悪「ネット監視社会」到来の恐怖

Photo by Samuel Corum/Anadolu Agency/Getty Images


「警察国家」誕生の危険性

ヘネシーは、トランプがオバマ大統領の行った改革を白紙に戻すとしたら、最初に手を付けるのは「大統領政策指令第 28号」だと予測する。これは、NSAの監視から米国民以外のプライバシーを保護するものだ。「新しいものほど撤廃しやすい」と彼女は言う。大統領政策指令第 28号に関しては、個人のプライバシー保護などを訴える非営利組織「電子フロンティア財団」が先月、オバマ政権が公約を果たしていないと非難声明を出している。

トランプの大統領就任によって、政府の情報機関は試練を受けるとヘネシーは予測する。「NSAは強力な保護を受けている上に、スタッフも法律を遵守する高潔な人ばかりだ。彼らにはこの試練を乗り越えてくれることを期待するが、未来のことは誰も予測できない」

セキュリティ専門家のロバート・グラハムは次の様に指摘する。「トランプがネット監視の強化に乗り出したら、最悪な事態に陥る。9.11のような事態が生じたら、トランプは国民の支持を背景にNSAを変革し、強大な警察国家を作り上げるだろう」。

スノーデンもかつて、NSAの秘密ファイルを暴露した際に独裁者の登場に警鐘を鳴らしていた。彼は当時投稿したビデオの中で次の様に述べている。「強大な権力を持つ独裁者は、いとも簡単に国民を監視する体制を作ることができる。そうなると、大衆はなす術がない」

編集=上田裕資

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