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2016.11.17

業者だけが得をする「物件情報囲い込み」の実態[日本の不動産最前線 第7回]

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自己の利益のために情報を隠蔽、結果として円滑な不動産流通を阻害し、売主・買主の利益を毀損するこうした実態については、某メディアが2015年に暴露。業界団体はほどなくこうした事態の撲滅に努めると表明したが、実態は現在もさして変わらない。

コンプライアンス(法令遵守)が順守されている可能性が高い、誰もが知る大手企業なら大丈夫かといえば、そんなことはない。とある宅建業者は「物件情報の隠蔽をしてはいけない」といった内規はあるものの形骸化し、現場ではいまだに守られていない。この「物件情報囲い込み」は、あくまで社内で行われる。したがって決定的な証拠がつかみにくく顕在化しないのだ。

売りに出していることを周囲に知られたくないといった理由から「大々的に告知せずに、静かに売ってほしい」といった要望もあるが、そうしたケースは稀で、不動産を早く高く売るには広く情報が行き渡っているにこしたことはない。

不動産流通を阻害する、そしてあなたの利益を損なう可能性が高い、このような行為に巻き込まれないためにはどうしたらよいだろうか。まずは率直に、不動産情報の囲い込みをしていないかどうか、聞いてみることだ。これであなたは賢い顧客であることを理解させる。これだけで不動産情報の囲い込みはかなりやりにくくなるはずである。

【連載】日本の不動産最前線 過去記事はこちら

編集 = Forbes JAPAN 編集部

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