ビジネス

2016.11.16

アウトドアブランドへの原点回帰、復活目指すエディー・バウアー

photo by Scott Olson / gettyimages

創業96年のエディー・バウアーが、アウトドア・アパレル市場でのシェアを取り戻すべく、新たなキャンペーンを立ち上げた。

同社のマイク・エゲックCEO曰く、目標は“機能性重視のアパレルブランド”に戻ることだ。ノースフェイス、コロンビア、パタゴニア、REI、L.L.ビーンが具体的な競争相手になる。

米アウトドア協会によれば、アメリカで2015年に少なくとも1度はアウトドア活動に参加したという人は、1億4,200人超で、人口の48.4%。アウトドアスポーツ関連の個人消費は6,460億ドル(約69兆円)にのぼり、エディー・バウアーとしてはこのトレンドを逃したくない。

「確かに、今はアウトドアが大流行している。だが生き残ることができるのは、“本物”のブランドだけだ」とエゲックは言う。

エディー・バウアーは、アウトドアガイドをしていた実在の人物、エディー・バウアーが創業したブランド。キルトティングのダウンジャケットを発明し、アメリカ人で初めてエベレストに登頂した人物は同社のアイテムを着ていた。つまりエディー・バウアーは、確かに本物なのだ。だがこのところは債務に苦しみ、何度か身売りも経験。現在のオーナーは投資会社ゴールデンゲート・キャピタルとなっている。

ゴールデンゲートは、2009年にエディー・バウアーが連邦破産法の適用を申請した後、同社を2億8,600万ドル(約305億円)で買収した。2014年には米紳士服のジョス・A・バンクスが8億2,500万ドル(約880億円)で買収すると発表したが、ジョス・A・バンクス自身が同業者に買収されたため、エディー・バウアーの買収話はなくなった。

エディー・バウアーの改革が成功すれば、ゴールデンゲートの投資家たちにとっては素晴らしいニュースだ。改革が顧客の共感を呼べば、投資も強化されるだろう。ブランドが復活すれば、再び売りに出すこともできる。
次ページ > 今後の課題は「男性顧客」の取り込み

編集=森 美歩

タグ:

ForbesBrandVoice

人気記事