「トランプ追い上げ」は本当? 米大統領選、世論調査の正しい読み方

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ブレクジットの衝撃は「不正確な世論調査」のせいではない

英国で今年6月に行われた欧州連合(EU)脱退の是非をめぐる国民投票では、大勢の予想に反して英国のEU離脱(通称「ブレクジット」)が承認されたことから、米大統領選も同じ結果になるのではないかという疑念が上がっている。だがワン博士は、こうした懸念を払拭する理由を幾つか挙げている。

「ブレクジットのメディア報道を見ると、失態を犯したのは識者らだったことが分かる。コメンテーターらは、EU離脱派が勝利する可能性はないと断言していた。だがデータを見れば、残留派のリードはごくわずかだった。私は当時、両者の差は小さすぎるため結果は予測できず、どちらに転ぶ可能性もあると言っていた。識者が残留派勝利を予測したのは、調査結果のせいではない」

また、ブレクジットは1回きりの出来事だった一方で、米大統領選の世論調査には長年にわたる経験の積み重ねがあるという違いもある。

「大統領選の世論調査は、世界最高水準だ。米国の世論調査機関は常に新しい手法を試している。業界全体での誤差はせいぜい1~2ポイントだろう」(ワン博士)

翻訳・編集=遠藤宗生

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