サムスンの逆襲 Galaxy S8は「人工知能でアップルに対抗」説が浮上

Photo by Chesnot/Getty Images

火を噴くスマホ、サムスンのGalaxy Note 7の生産停止、リコールに至る騒動はスマホ業界始まって以来の大失態だ。しかし、業界のアナリストの中にはこの騒ぎも数ヶ月で忘れ去られ、サムスンは次のGalaxy S8で失地回復を遂げるとの見方もある。

サムスンは今回のリコールにかかる損失を50億ドル(5,230億円)以上と見込んでいる。同社は長年かけて築き上げたブランドへの信頼を失った。しかし、IDCのアナリスト、Xiaohan Tayは次のように述べている。

「スマホ業界の流れは非常に速い、毎月のように様々なメーカーから新製品がリリースされている。Note 7の件もすぐに忘れ去られるだろう」

カナリスのアナリスト、ベン・スタントンも同意見だ。「サムスンはこれまで年間2回のペースで新製品を投入してきた。タブレットやPCに比べ、スマートフォンの分野は製品サイクルが非常に短いのが特徴だ」

サムスンは来年2月にバルセロナで開催のモバイル・ワールド・コングレスので次期モデルS8を発表し、韓国では3月に発売となるはずだ。これはNote 7の大失敗から約6ヶ月を経たタイミングとなる。

関係者の間では、サムスンがNote 7の損失を取り戻そうとS8の発売を早める噂も取り沙汰された。しかし、この噂はすぐに否定された。匿名のサムスン幹部はETnewsの取材に対し、こう述べた。

「Note 7のリリース前から、S8の発表は別のスケジュールで進められていた。急に発売を前倒しすることは不可能だ」

サムスンはS8の発売に向け、これまで経験したことのないプレッシャーにさらされている。IDCのTayは「今回のモデルはNote以降で最も高価格な製品になる。テクノロジーやイノベーション、マーケティングの全ての面で消費者を魅了しなければならない」と述べた。
次ページ > 人工知能搭載でアップルに対抗

編集=上田裕資

タグ:

ForbesBrandVoice

人気記事