ロイズ・チョコレート、激戦地シカゴにポップアップストアを開設

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シカゴは素晴らしいチョコレートにあふれた街だ。なぜこの日本のチョコレート・メーカーは、飽和状態ともいえる市場で太刀打ちできると考えたのだろうか。

北海道のチョコレート・メーカー、ロイズコンフェクトは10月15日、シカゴのミシガン・アベニューの一画、マグニフィセント・マイルにある「ザ・ショップス・アット・ノースブリッジ」にポップアップ・ブティックをオープンした。同社はすでに、ニューヨークのほかボストンやラスベガス、カリフォルニアとニュージャージーの両州などにも出店している。

シカゴのロイズ・チョコレートのライセンシーであるヒルマン・アフマドは、同社には課題もあるが、機会もあると話す。「シカゴは文化のるつぼだ。誰でも自分の地元のブランドにこだわるものだが、シカゴのような多様性のある都市に住んでいれば、世界各地の味を試してみる機会は非常に多い」

アフマドによれば、シカゴに住む人やこの地を訪れる人たちに同社が提供するのは、他のどこでも目にしたことがないような「生(なま)」のチョコレートや、ポテトチップチョコレートなどだ。

「日本語の“生”は“新鮮であること”を意味する。こうしたチョコレートを一般に販売しているブランドは現在、他に世界中のどこにもないだろう」「その新鮮さを経験するためには、まず食べてみなければならない」と話す。

飽和市場にも機会はある

筆者は、チョコレートに関しては少々うるさい。どんな形のものであれ、チョコレートを味わうことなく終わる日は一日もない。量は多くなくていいが、おいしくなくてはいけないのだ。

そんな私だからこそ、シカゴに新しいチョコレート・ショップができると聞いたときには、疑いの気持ちを持った。だが、ロイズの「シャンパン」の生チョコレートを試してみて、その気持ちは吹き飛んだ。

──かすかな「ピエール・ミニョン」の香り。そのシャンパンの味は強くはないが、確かにその味を感じ取ることができる。そして、美味だ。チョコレートが本当に口の中で溶ける。それは予想外の感覚だった。

シカゴが新しいチョコレート・ショップを受け入れるかどうかは、時間がたたなければ分からない。だが、私はロイズが生き残るよう働き掛けていきたい。かなり久しぶりに出会った、最高のチョコレートの一つだ。新たに出会う風味や食感はいつでも、心を躍らせてくれる。

編集 = 木内涼子

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