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中国のシャオミは安価なスマホのメーカーから、最先端のテクノロジー企業に脱皮しようとしている。

10月25日、シャオミは北京で新モデルの「Mi MIX」を発表した。6.4インチのディスプレイはベゼルが極度に狭く、筐体はフルセラミック仕様。デザインはフランス人デザイナーのフィリップ・スタルクが手がけた。

通常はフロントカメラやホームボタンが収まる上下のスペースも極度に切り詰め、端末下部にフロントカメラを設置。MIXには通話用スピーカーが無く、音声を筐体を通して聞き取る「Ceramic drive Unit」というテクノロジーを採用。超音波でユーザーの耳を検知する、特殊センサーも搭載している。

MIXは斬新なデザインや機能で「次世代のiPhoneを連想させる」とも伝えられる。シャオミはこの製品を日本円換算で約54,000円から62,000円の価格帯で販売する。

シャオミは競合らの追い上げに直面し、中国での市場シェアの低下に悩んでいる。フラッグシップモデルのMi5sを9月後半に投入したが、ファーウェイはデュアルカメラ製品を発表し、OPPOは急速充電機能を持つ製品をアピールしている。

「製造工程が複雑すぎる」との指摘

シャオミの市場シェアは今年第三四半期に10.6%に下落。前四半期は11.2%で、前年同期は14.6%だった(カウンターポイントのデータ)。MIXの投入でハイエンドスマホメーカーとしての躍進が期待されるが、アナリストは「製造工程の複雑さから、生産台数には限りがある」と指摘する。

カウンターポイントのジェイムス・ヤンは「初年度の生産台数は100万台に届かない」と述べている。セラミックボディやベゼルを無くしたディスプレイは、従来の製品に比べ、製造が困難で限られた台数しか生産できないというのだ。

「この製品の目的は売上よりも、マーケティング的価値にあると見ています」とヤンは言う。

シャオミは今回、曲面ディスプレイを採用したMi Note 2も発表した。曲面ディスプレイはサムスンが先陣を切って投入したが、ユーザー体験はさほど向上せず、売上も伸びていないとアナリストらは分析する。

サムスンのGalaxy S7 Edgeは今年前半に同社のスマホ出荷台数の16%に達したが、カナリスのデータによると中国メーカーで最初の曲面ディスプレイ製品となったVivoのXplay 5は、同社の売上の4%にしか達していない。シャオミのNote 2も大きな成功は見込めない。

シャオミは発表会でNote 2の曲面ディスプレイについて言及しなかった。その代わりに急速充電や高解像度カメラをアピールしたが、これらは他の中国メーカーとの差別化要因にはならない。

「ユーザーは曲面ディスプレイ以上の便利な機能を望んでいます。しかし、シャオミのNote 2には決定的なイノベーションが欠けているのです」とIDCのアナリスト、ジン・ディは述べた。

編集=上田裕資

 

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