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2016.10.19

中国富裕層がハマるマナー教室 「10日間で150万円」の高額講座も

merzzie / Shutterstock.com

急に金持ちになり、周囲の環境が変わってしまった中国人女性たちは、エチケットや公共の場所でのふるまい方などのマナーの習得に関心を高めている。

中国で最初のフィニッシングスクール(文化や教養を身につける学校)であるInstitute Sarita(瑞雅礼儀)は、香港人のサラ・ジェーン・ホーが、レベッカ・リーと共に2013年に北京に設立した。

欧米と中国の2つの文化に対応したマナー講座を売りとする同スクールは絶大な人気を博し、2015年5月には上海に分校をオープンした。10~12日のコースの費用は1万5,000ドル(約156万円)。レベル別に2つのクラスを設け、社交的な付き合いのアドバイス、ホテルでのマナー、ランジェリーの選び方、フランス料理やハイソなスポーツの紹介、さらには高級ブランドの発音の仕方などを学習する。

北京と上海のスクールには中国全土から参加者がやって来る。ホーは「彼女たちは想像もできないほど金持ちだ。我々は彼女たちが海外での旅行や留学、ビジネス、子育てにおいて身に着けておくべき知識を提供している」と語った。

このような富裕層向けのサービスの需要は、まだ大きくはないが、マナーを学びたい女性はウルトラリッチ層ばかりではない。ホーが先月出版した女性向けのマナー本は、一週間足らずで2万冊売れ、オンラインでは即完売した。ホーのビジネスパートナーのリーが書いた年配女性向けのマナー本も、好調な売れ行きを見せている。

周囲の人たちと差をつけたい中国人女性をターゲットにしたホーの書籍は、スイスのカリキュラムのエッセンスを、中国女性向けにアレンジした。第一章では西洋社会のルールに加え、ペットの教育の仕方もレクチャーした。第二章以降は、飲食、美容等、特定の場面でのマナーをカバー。最終章は恋愛をテーマにし、中国で広がっているドメスティック・バイオレンスの話題にも触れた。

中国の富裕層向けにマナーのクラスを提供しているスクールは他にもある。ロンドンのラグジュアリーライフスタイルスクール、Debrettsは海外でのマナー講座を開講し、Virginia Mannersは上海で女性向けの国際社会とビジネスマナーを教えている。また、Académie de Bernadacは子を持つ親たちのためのクラスを展開している。

編集=上田裕資

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