こうした現状の背景には、必ず何かがあるはずだ──私たちがストレス要因に直面した時、脳に何が起きているかを説明することによって、神経科学は私たちが自ら認識し得る自覚的な情動的変化について、説明することができるようになってきている。
マインドフルネスとは、「今この瞬間に意識を向けている状態」、今をそのままの状態で受け入れている(情動的反応が抑制されている)ということだ。科学誌「Frontiers in Neuroscience(フロンティアズ・イン・ニューロサイエンス)」に9月に掲載された論文によると、元々「マインドフルネス」に欠ける人は、短時間の瞑想で多少ながらもマインドフルな状態を実感できるという。
だが、瞑想を始めようとする人に、「今この瞬間にとどまる」ことが必要だと指示しても、効果はないと考えられる。つまり、瞑想には本来備わっている何かがあり、それがマインドフルネスに近づくことを助けているとみられため、私たちが自分自身にマインドフルネスであれと「強制」しても、それは何ももたらさないと考えられるのだ。
平常心を持ち続けることが可能に?
論文をまとめたミシガン州立大学の研究チームは、マインドフルネスのクラスに参加した68人を無作為にグループ分けした後、一方には指導の下で18分間の瞑想を行ってもらった。そしてもう一方には、外国語学習用の音声を聞いてもらった。当然ながら、参加者の中には元々マインドフルな人も、そうでない人もいた。
その後、気持ちを動揺させるようなものを含んださまざまな画像を全員に、「普通に」または「マインドフルに」見てもらった。チームはこのとき、参加者たちの頭部に電極を固定し、脳の電気的活動を測定した。