「仕事が趣味」なライザップ瀬戸社長の時間管理術

RIZAPグループ 代表取締役 瀬戸健 / photographs by yOU (Yuko Kawasaki)

RIZAPを軸とするブランド戦略で売上1,000億円、営業利益101億円をコミットする瀬戸健氏。世にないものを形にするアイデアの創出方法と時間管理の極意を語ってもらった。

弊社は、「人は変われる。」を証明するという理念を掲げ、社会の発展に貢献できるもの、世界がよりよくなるものを自ら生み出し、マーケットをつくりだそうという企業文化を持っています。そのキッカケとなったのが、「豆乳クッキーダイエット」でした。累計400億円を超えるヒット商品ですが、売り上げではない数字に目を向けると、1箱につき平均で2.2kg痩せます。そして100万人の方が平均2.5箱を購入してくださったので、計算上では日本人の体重を5,000トン以上減らしたことになる(笑)。一人でも多くの方にご満足いただけることが、私たちの原動力になります。

こういう世にない商品やサービスを生み出すには、社員一人ひとりのクリエイティビティが本当に重要です。“偉大なる素人”として、お客様の「こんなのがあったらいいのにな」という気持ちを想像し、それを形にしていくのです。
 
大きなシステムとしては、お客様の人生を豊かにするために社員自らが考えて事業提案し、事業化する「みらクリ」がありますが、普段から新卒のメンバーを含めて“1,000本ノック”並みの商品企画を考えてもらうことも実施しています。やはり最初は誰でも考えつく、「(既存商品に)ヒアルロン酸を足しましょう」というような一般的なアイデアしか出ません。そのような普通のアイデアは却下して、(これはあくまで喩たとえですが)「1年間はずさなくてもいいコンタクトの開発」といった耳を疑うようなアイデアを重視します。

一見どんなに馬鹿げていても、そこに自分たちらしい、自分たちにしか開発できない商品やサービスが存在する可能性が高いからです。その企業文化を徹底していくと、社員も半年ほどでユニークなアイデアを出すようになりますし、その結果、生活必需品ではなく、消費者が輝ける、健康も含めてより人生が楽しくなるような商品が誕生します。
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堀 香織 = 構成

この記事は 「Forbes JAPAN No.27 2016年10月号(2016/08/25発売)」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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