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2016.09.30

音楽認識アプリ「Shazam」が10億DL達成 IPOの噂も

Shazam Entertainment Limited

周囲で流れている楽曲の曲名を教えてくれる音楽認識アプリ「Shazam」が10億ダウンロードを達成した。10年に及ぶ歴史を誇るこのアプリを生んだのはロンドンを拠点とするテック企業のShazam社。評価額は10億ドルとされる英国のユニコーン企業だ。

9月29日に同社は今回のアナウンスを行なった。競合ひしめく音楽アプリの中で抜きん出た存在感を誇るShazamは、ここ数年で利用者が急増していた。

Shazamと言えば英語圏では「Shazamする」という動詞が定着するほどの人気を誇る一方、赤字が続いており、2014年には1,484万ポンド(約27億円)の純損失を計上。収益化に苦戦していたが、今回の発表でようやく黒字化を達成したことも表明した。昨年10億ドルの評価を得た同社は、2006年から一切利益を生んでいなかったのだ。

長年に渡り楽曲認識というシンプルな機能しか持たなかったShazamは、今年はじめにShazam For Brandsという新機能をローンチ。企業らにShazamと連携し、広告キャンペーンに活用する場を提供。新たな収益をもたらした。

Shazamの楽曲認識機能の利用回数は、これまでの累計で300億回に及ぶという。同社によると現在世界中で毎日2,000万回のShazamの音楽検索が使われているという。

Shazam社の設立は1999年。2002年に英国でフィーチャーフォン向けサービスとして始動。その後、米国でAT&Tと連携し有料サービスの展開を行なった後、2008年にiPhone向けアプリを立ち上げていた。

同社会長のアンドリュー・フィッシャーは昨年3,000万ドルの資金調達を行なった際、ブルームバーグの取材に対しIPOへの意向を表明していた。今年に入ってからも同社のIPOに向けた動きが噂されている。

編集=上田裕資

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